診療科腫瘍内科
更新日:このたび堺市立総合医療センターでは腫瘍内科を新設しました。
呼吸器内科の一領域として、増加する肺癌・胸部悪性腫瘍に対する診療をこれまで以上に強化していきたいと思います。
腫瘍内科部長
岡本 紀雄
特色・強み
新規薬剤(分子標的薬)の開発が進んでいます。また免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)も多く使用されるようになってきました。従来からある抗癌剤も加わり、肺癌の抗癌剤治療は患者さんおひとりおひとりの癌のタイプに合わせた個別化・細分化の方向に向かっています。
診療・治療について
診療はまず気管支鏡やCTガイド下生検などで腫瘍部の組織を採取し病理学的に「肺癌」と診断するところからスタートしますが、抗癌剤治療の適応となる方の場合には、それに加え上記のような癌のタイプを調べる肺癌遺伝子検査等を合わせて薬の選択を行うようにしています。
(1)診断
呼吸器内視鏡検査(気管支鏡・局所麻酔下胸腔鏡)により積極的に確定診断を行います。専門の病理医が良性/悪性、および詳しい腫瘍のタイプを診断します。
(2)説明
患者さん本人・ご家族に診断・治療方針について詳しい説明を行います。
(3)治療
患者さんから同意を得た後、悪性腫瘍に対する抗癌剤治療を行います。病状によって、放射線科に依頼し放射線療法を行う場合もありますし、抗癌剤と放射線を同時併用することもあります(化学放射線療法)。手術の適応と判断した場合は呼吸器外科に依頼します。
これらの治療方針の決定は「キャンサー・ボード」(内科・外科・放射線科による治療方針検討会議)で決定されています。治療は現時点でベストと考えられる標準療法※をお勧めしております。通院でも治療が可能と判断した場合は、積極的に外来化学療法をお勧めしています。
※標準療法:ある疾患・ステージにおいて、これまでの臨床試験で示された科学的なデータに基づき、その時点で最も治療成績が優れた治療法のことです。癌は難治性の疾患であるため、更なる治療成績の向上のために新薬の治験開発が盛んに行われています。