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診療科胃食道外科

更新日:

チーム医療で「わかりやすい診療」を実践しています

患者さんの意見や希望を尊重することに心がけ、患者さんが不安を抱えたまま治療を受けないようにわかりやすい診療を実践しています。
また様々なメディカルスタッフが診療科や職種の垣根をこえて連携・協働し、それぞれの専門スキルを発揮することで、「最善の医療」を患者さんが安全に安心して受けることできるよう、「チーム医療」の推進にも力を注いでいます。

胃食道外科部長
西川 和宏

対応疾患

胃がん 手術、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療、緩和治療
食道がん 手術、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療、緩和治療
GIST(消化管間質腫瘍) 手術、化学療法、緩和治療

特色・強み

■ 体に「負担の少ない治療」をおこなっています
手術が必要な患者さんには、腹腔鏡手術や手術支援ロボット(da Vinci)を用いた手術など、患者さんに負担が少なくなる治療を積極的に取り入れています。

■ 臨床研究による「最新の治療」にも取り組んでいます
ガイドラインに基づく標準治療だけでなく、厚生労働省が助成するがん治療の臨床研究組織「JCOG胃がんグループ」のメンバーとして、最先端の「研究的治療」にも積極的に取り組んでおり、胃がん治療においては日本で先導的な役割を担っています。

主な手術・検査・設備等

腹腔鏡手術

お腹に小さな傷を数か所つけて、細長い手術器械を挿入して行う傷の少ない手術です。

ロボット支援下手術

手術支援ロボット「da Vinci -ダヴィンチ-」を用いた腹腔鏡手術をで、より正確で精密な手術が可能になります。

標準治療

科学的根拠に基づいた観点で最良の医療であり、保険診療で受けることができる治療法です。

臨床試験、治験

よりよい標準治療の確立を目指して行われる、研究段階の医療です。

放射線治療

手術と同様、患部の局所に対する治療ですが、手術のように臓器を取り除いたりせずに治療をします。

緩和治療

がんに伴う心と体のつらさを和らげることが目的で、がんと診断されたときから多職種チームで関わっていきます。

実績

2018年度 2019年度 2020年度
胃がん 167 171 140
食道がん 57 49 45
GIST(消化管間質腫瘍) 4 8 2

研究発表

令和元年度

開催日 学会等 演題 演者
4月18日-4月20日 第119回日本外科学会定期学術集会 当院の外科手術症例におけるサルコペニアに対する術前運動栄養療法 三上 城太
5月30日 清恵会病院 クリニカル・パスセミナー 堺市立総合医療センターにおけるクリニカル・パスの運用 藤田 淳也
6月6日-6月7日 第73回日本食道学会学術集会 食道癌手術症例における術前運動栄養療法 三上 城太
6月8日 堺市医師会内科医会消化器病談話会 どう扱う 上部消化管粘膜下腫瘍 藤田 淳也
7月17日-7月19日 第74回日本消化器外科学会 消化器癌手術病例における術前運動栄養療法の探索的研究 三上 城太
11月22日 癌免疫療法 南大阪胃癌研究会 南大阪エリアにおけるnivolmabの胃癌リアルワールドデータ 三上 城太
12月5日-12月7日 第32回日本内視鏡外科学会総会 腹腔鏡下幽門側胃切除の周術期における体組成変化の部位別検討 三上 城太

胃がん

胃がんは日本人に多い「がん」のひとつで、最近では「ヘリコバクター・ピロリ」と呼ばれる細菌が胃のなかに住み着いて胃がんの原因になっていることがわかってきました。近年の内視鏡検査(胃カメラ)における診断技術の向上により、早期で「がん」が見つかることが多くなってきており、適切な治療により高い確率で治すことが出来るようになりました。

胃がんの診断

「がん」ができたところに潰瘍(かいよう)や胃炎があったりすると痛みを感じることがありますが、ほとんどの場合、症状がありません。
早期がんで見つかれば、内視鏡(胃カメラ)で「がん」を切除するだけで治すことが可能な場合もあります。早期胃がんの場合はバリウムによるX線検査よりも内視鏡検査でみつかることが多いので、年に一回は内視鏡検査を受けることが勧められています。

胃がんの進行度(ステージ)

胃がんは胃の壁伝いに広がるばかりでなく、周囲のリンパ管や血管からリンパ流や血流に乗って胃から離れた場所に散らばっていきます。これを医学的に「転移」と呼んでいます。一般に、胃がんの進行度は、胃壁におけるがんの深さ(壁深達度)、およびリンパ節やほかの臓器への転移の状態に基づいたステージ分類で評価されます。内視鏡検査、バリウム検査、CT検査などで胃がんの進行度(ステージ)が決定し、進行度に基づいた治療方法が決められます。

胃がんの治療

どこの施設においても科学的根拠(エビデンス)にもとづいた治療ができるように日本胃がん学会で「胃がん治療ガイドライン」が作成されており、それに従った治療が推奨されます。
胃がんの治療法は主に、① 内視鏡手術(胃カメラを用いての治療)、② 外科手術(腹腔鏡手術・開腹手術)、③ 抗がん剤治療(化学療法)の3つに分かれています。

① 内視鏡手術
がんを内視鏡(胃カメラ)下で切除して治療する方法です。胃カメラの先から電気メスを出して病変を削り取ります。(ESD=内視鏡的粘膜下層剥離術といいます。)がんのタイプ、大きさ、深達度(がんがどのくらいの深さまで進んでいるか)、などで内視鏡手術を行うことができるか否かが決まります。入院での治療となりますが、治療中は静脈麻酔を行うため、痛みや不快感も少ないです。 切り取った組織は病理検査を行い、「がん」を全て切除できたかどうかを判定します。病理検査の結果によっては外科手術による追加治療が必要になることがあります。

② 外科手術
手術療法は内視鏡治療の適応とならない胃がんにおける標準治療です。
定型手術:「2/3以上の胃の切除と第2群までのリンパ節を取り除くD2郭清(リンパ節をその周りの脂肪組織などと一括して取り除く)を行う方法」です。多くの場合、胃の出口の方を切除します(幽門側胃切除術)が、胃がんが胃の入り口の方まで広がっている時には、胃を全部切除(胃全摘術)します。

縮小手術・腹腔鏡手術
病変が胃の入り口に近い場合には入口の方のみを切除する(噴門側胃切除といいます)こともあります。 また早期の胃がんやリンパ節転移がないと思われる胃がんで開腹手術と同等かそれ以上の効果が期待できる場合には、腹腔鏡を用いた傷の小さい低侵襲手術(腹腔鏡下手術)を行います。

■手術後の傷あと

腹腔鏡下手術・ロボット支援下手術

腹腔内(腹腔:お腹の壁と臓器との間の空間)に炭酸ガスを入れてお腹を膨らませ、「おへそ」の傷から細い高性能カメラ(腹腔鏡)を挿入します。そして同時に手術操作に用いる器具を挿入するために、5~10ミリの小さな穴を左右に合計4-5か所開けます。お腹のなかの様子を腹腔鏡でテレビモニターに映し出し、テレビモニターを見ながら胃や周囲のリンパ節の切除を行います。

この手術は、腹腔鏡により臓器や血管および神経を拡大して映すことが可能です。従来の開腹手術では見えにくかった細かい血管や神経まで見えるので細やかな手術操作が可能です。胃がんを確実に治すために切除すべき胃やリンパ節の切除範囲は腹腔鏡下手術でも開腹手術でも変わりません。さらに近年では、手術支援ロボット「da Vinci -ダヴィンチ-」を用いた腹腔鏡手術により、より正確で精密な手術が可能になります。

③ 化学療法

■転移・再発を認めた場合
胃がんが、肝臓や肺、腹膜、遠くのリンパ節に転移している場合や、外科手術後に再発した場合は、外科手術だけでは全てのがん細胞を完全に切除することが出来ないため、抗がん剤治療を行う必要があります。抗がん剤の治療薬は「がんの性質」や患者さんの状態やニーズを考慮して最適なものを選択します。 基本的には通院で抗がん剤治療を受けることが可能で、当院ではゆっくりくつろいで、抗がん剤治療を受けて頂ける外来化学療法室を備えています。なお、初めて治療を受けられる場合や入院治療が必要な抗がん剤の場合などは入院で治療を行うことがあります。

■再発予防として行う場合
外科手術のあとでも、病理検査の結果で胃がんがある程度進行していると判明した場合、再発予防のために抗がん剤治療を1年間行うことが推奨されています。

食道がん

食道は、喉(のど)と胃とをつなぐ長さ約30cmの管状の臓器で、「食道がん」はその内側にある粘膜の上皮から発生します。食道がんの罹患率は人口の高齢化とともに増加しています。年齢別にみると40歳代後半以降に増加し始める傾向にあり、女性よりも男性で約2倍多くなっています。
発生の危険因子としては、扁平上皮がんでは喫煙と飲酒が相乗的に作用してリスクが高くなることが指摘されています。また飲食物がリスクを上昇させるという研究結果も多く報告されています。腺がんでは肥満や逆流性食道炎でリスクが高くなるとされています。
日本では、食道がんの90%以上が扁平上皮がんですが、欧米では、腺がんが多く、その殆どは胃の近くの食道下部に発生します。日本でも生活習慣などの欧米化により、食道下部の腺がんが増えています。
症状としては初期症状がなく、検診や人間ドックのときに発見されることが20%近くありますが、食べ物を飲み込んだときに胸の奥が痛む、熱いものを飲み込んだときにしみる、食道で食べ物がつかえる、体重が減少する、胸や背中が痛む、むせるような咳や血痰がでる、声がかすれるなどがあります。

診断と治療

上部消化管造影検査、上部消化管内視鏡検査、CT検査、PET-CT検査などで食道がんの進行度(ステージ)が決定し、進行度に基づいた治療方法が決められます。治療には大きく分けて内視鏡治療、手術治療、放射線治療、化学療法の4つがあり、患者さんの希望や年齢、合併症、病気の特性などを考慮しながら、治療法を決定します。当院では、外科、消化器内科、放射線(診断・治療)科、歯科口腔外科、リハビリテーション科が協力してチーム医療で食道がんの診断・治療を行っています。

1) 内視鏡治療

内視鏡的粘膜切除術(EMR)は、内視鏡でみながら、食道の内側から「粘膜内のがん」を切り取る方法で0期とⅠ期の一部が対症となります。内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は、病変の下層部に薬剤を注入しながら病変を電気メスで徐々にはぎ取る方法です。 いずれも切除した組織の病理検査の結果、とりきれなかった部分があったり、リンパ節転移の可能性が高いと判断された場合は、追加手術や放射線治療、化学放射線療法が必要になります。

2)放射線治療

高エネルギーのX線でがん細胞を殺し、「がん」を小さくする効果があります。放射線治療には治癒を目指す治療(根治照射)と、痛みや出血などの症状を抑えたり、食べ物の通り道を確保しようとする治療(緩和的照射)があります。また、放射線治療単独よりも化学療法と併用して行った方がより効果が高いことがわかっており、放射線照射を行いながら、化学療法を同時に投与する方法を化学放射線療法といいます。


周囲の臓器への浸潤があり切除ができない人、手術を望まない人、高齢や合併症などで手術の危険性が高い人などが対象となり、ステージによっては手術治療とほぼ同等の効果が得られたという報告もあり、化学放射線療法を選択することにより、生活の質(QOL)の向上が期待されます。

3) 手術(外科治療)

食道がんでは、手術が最も一般的な治療で、病巣とともにリンパ節を含む周囲の組織を切除します(リンパ節郭清)。
食道を切除した後には、食事がとることができるように胃や腸などを用いて再建します。がんの発生する食道の部位によって選択される手術術式が異なりますが、胸部食道癌の手術では、頸部・胸部・腹部の3領域のリンパ節を郭清することがあり、侵襲が大きく体に負担の大きな手術となります。近年では、胸腔鏡や腹腔鏡を用いた傷の小さい手術をできるだけ導入しています。

食道がんでは、手術が最も一般的な治療で、病巣とともにリンパ節を含む周囲の組織を切除します(リンパ節郭清)。食道を切除した後には、食事がとることができるように胃や腸などを用いて再建します。がんの発生する食道の部位によって選択される手術術式が異なりますが、胸部食道癌の手術では、頸部・胸部・腹部の3領域のリンパ節を郭清することがあり、侵襲が大きく体に負担の大きな手術となります。近年では、胸腔鏡や腹腔鏡を用いた傷の小さい手術をできるだけ導入しています。

4) 化学療法

数種類の抗がん剤や免疫チェックポイント阻害剤を使用しますが、化学療法単独で根治できる可能性は低く、現時点では外科手術の補助療法か、あるいは外科治療の適応とはならない進行例に対する姑息治療という位置づけで行われています。

5) 姑息治療

“がん”によって食道が狭くなったために食事が通りにくくなった場合には、金属の網でできた筒状のステントを食道の中に入れたりして、食べ物が通るようにすることがあります。
またお腹から直接胃に栄養物を入れるための管(胃ろう)を入れたり、点滴で栄養管理を行ったりすることもあります。

GIST(消化管間質腫瘍)

  • 胃の粘膜下腫瘍(SMT)のうち代表的な腫瘍がGIST(消化管間質腫瘍)です。
  • GISTは、Gastrointestinal stromal tumorの略で、胃や腸などの消化管の内側の粘膜の下で発育する腫瘍です。粘膜の下の筋層にある「カハール介在細胞」の前駆細胞(カハール介在細胞の元になる細胞)が異常に増殖し、腫瘍化するまれな病気です。発生部位は胃が60~70%と最も多く、小腸は20~30%、大腸と食道は約5%とされています。
  • 治療は外科的手術が標準であり、可能な限り腹腔鏡を用いて胃を部分的に切除します。噴門部や幽門部に近いGISTは、内視鏡と腹腔鏡を協同させて、機能温存を目指した手術(LECS)を行っています。
  • 全身に転移している場合や手術の結果で再発のリスクの高いGISTには、化学療法(グリベック、スーテント、レゴラフェニブ)を行います。他の研究施設と協力してGISTの遺伝子解析を行い、最適な治療を心がけています。

胃粘膜下腫瘍(SMT)の治療アルゴリズム(GIST診療ガイドラインより)
※SMT:粘膜下腫瘍、EUS:超音波内視鏡検査、FNAB:穿刺吸引細胞診

地域の医療関係者の方へ

消化器内科と消化器外科で密な連携を行い、胃食道疾患の診療に当たっています。また他科とも連携を取り、合併症を持った患者さんも積極的に受け入れております。患者さんの意見や希望を尊重することを心がけ、すべての患者さんに納得していただける診療を提供できるよう努めています。
堺市医師会と策定した「地域連携クリニカルパス」を用いて、地域の医療関係者の皆様と綿密な連携をとることで、患者さんに寄り添った切れ目のないがん診療を提供できるよう努めています。

地域の患者さんへ

病気や体の状態をできるだけ正確に把握して科学的根拠に基づいた標準治療についてわかりやすく説明します。また患者さんの意見や希望を尊重することを常に心がけ、個々の患者さんにとって最善と思われる診療を提供できるように努めて

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