診療科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
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地域に根ざし耳鼻咽喉科・頭頸部外科全般に広く対応しております
ご覧いただきありがとうございます。2014年4月より部長として着任し13年目となりました。現在耳鼻科医6名で診療にあたるなかで、スタッフへ周知しているのは地域医療の機関との連携を大切にすることです。些細なことでもご紹介いただければ、真摯に対応させていただきます。外来では事前検査をすすめるなど、待ち時間を有効に過ごしていただけるよう配慮しております。引き続きよろしくお願いいたします。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科部長
長井 美樹
対応疾患
| 甲状腺癌 バセドウ病 甲状腺腫瘍 |
手術は全身麻酔で入院期間は6日間です。術中、神経刺激装置を使用します。 |
| 原発性副甲状腺機能亢進症 | 根治治療は摘出手術です。手術は全身麻酔で入院期間は6日間です。 |
| 反復性誤嚥性肺炎 | 誤嚥防止術として声門閉鎖術を行っています。対象は進行性神経難病や脳性麻痺の方が多いです。誤嚥の反復、呼吸不全の進行から気管切開や呼吸器装着が必要となった場合に適応となります。 |
| 重度嚥下障害 | 脳幹梗塞後遺症などを背景に重度嚥下障害が遷延する場合に嚥下機能改善手術が適応となります。術後もリハビリが必要です。60代くらいまでの比較的年齢の若い方に向いています。手術後も誤嚥がなくなるわけではなく誤嚥性肺炎を反復する場合は声門閉鎖術をお勧めします。 |
| 耳下腺腫瘍 顎下腺腫瘍 正中頸嚢胞、側頸嚢胞 |
手術は全身麻酔で入院期間は6日間です。耳下腺腫瘍では神経刺激装置を使用します。 |
| 喉頭癌 | 放射線治療や手術(喉頭全摘)に対応します。病状によりがん専門病院にご紹介しています。 |
| 咽頭癌 | 放射線治療や経口的内視鏡下切除手術に対応します。病状によりがん専門病院にご紹介しています。 |
| 慢性副鼻腔炎 副鼻腔腫瘍 |
全身麻酔下で内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)をナビゲーションシステムを使用し行います。入院期間は6日間です。 |
| 重度アレルギー性鼻炎 鼻中隔弯曲症 |
鼻閉を主訴とする保存的治療で改善しない場合、全身麻酔下で内視鏡下の手術を行います。手術は鼻中隔矯正術と併用し粘膜下下鼻甲介骨切除術や後鼻神経切断術を行います。鼻中隔前弯症例へのHemitransfiction法による矯正術にも対応しております。入院期間は6日間です。 |
| 好酸球性副鼻腔炎 | 近年増加傾向で、再発しやすい背景から指定難病の疾患です。手術と生物学的製剤の治療があります。手術ではESSを、鼻中隔矯正、粘膜下下甲介骨切除、後鼻神経切断などを併用し行います。 |
| 鼻涙管狭窄症 | 経鼻的に内視鏡下での鼻腔涙嚢吻合術の対応が可能です。 |
| 眼窩底・眼窩内側壁骨折 | 鼻腔内から内視鏡での整復が可能です。 |
| 先天性耳瘻管 | 手術は全身麻酔、局所麻酔いずれも可能です。 |
| 慢性扁桃炎 桃肥大 |
手術は全身麻酔下で入院期間は6日間です。 |
| 声帯ポリープ ポリープ様声帯 |
手術は経口的に顕微鏡下に全身麻酔下で行います。入院期間は3日間です。術後1週間は発声禁止となります。 |
| 反回神経麻痺 | 喉頭形成術(甲状軟骨Ⅰ型、被裂軟骨内転)に対応します。 |
| 顔面神経麻痺 突発性難聴 |
基本的には外来通院で8日間のステロイド点滴治療を行います。入院になるのは糖尿病を合併する場合、その他毎日の通院が困難な場合です。 |
| 急性扁桃炎 扁桃周囲膿瘍 |
飲水困難な重症の扁桃炎や切開を要する扁桃周囲の右葉では入院を勧めます。 |
| 急性喉頭蓋炎 深頸部膿瘍 |
緊急手術(気管切開、頸部切開排膿)を行います。 |
特色・強み
・甲状腺外科外来では専門的な甲状腺疾患の診断・手術治療を提供します。
・誤嚥や嚥下障害への手術治療を行なっています。小児に対する鹿野式声門閉鎖術の手術経験もあります。
・外来で嚥下内視鏡検査と、嚥下造影検査が可能です。
・反回神経麻痺に対する披裂軟骨内転術などの音声改善手術が可能です。
・ナビゲーション装置を用いた鼻副鼻腔内視鏡手術、眼窩吹き抜け骨折や鼻涙管狭窄症への経鼻的内視鏡手術が可能です。耳下腺・顎下腺などの唾液腺疾患の手術などが可能です。
・3泊4日の嚥下評価入院を開始しました(2026.1〜)。
・なお当診療科は下記の3つの専門医の施設認定を受けております。
日本耳鼻咽喉科学認定 耳鼻咽喉科専門医認定施設
日本内分泌外科学会認定 内分泌外科(甲状腺・副甲状腺)専門医認定施設
日本気管食道科学会認定 気管食道科専門医認定施設
実績
| 2025 | 2024 | 2023 | 2022 | |
|---|---|---|---|---|
| 甲状腺・副甲状腺疾患への手術 | 35 | 36 | 46 | 34 |
| 嚥下障害への手術 | 18 | 19 | 14 | 14 |
| 耳下腺・顎下腺・舌下腺疾患への手術 | 17 | 20 | 16 | 22 |
| 内視鏡下副鼻腔手術 | 258 | 224 | 113 | 82 |
主な手術・検査・設備等
誤嚥防止術 鹿野式声門閉鎖術

まず誤嚥防止術について説明します。誤嚥防止術は術後に誤嚥が無くなることで経口摂取への期待や吸引回数の減少にて QOLが向上するメリットがある手術ですがデメリットは声が出なくなることです。このためコミュニケーショ手段が声ではない、誤嚥のため肺炎を繰り返しているまたは今後その可能性がある神経筋疾患や脳性麻痺、蘇生後脳症、脳血管障害後遺症などの患者さんに適応があります。
いくつかある誤嚥防止術の中でも当科では鹿野式声門閉鎖術を実施しています。鹿野式声門閉鎖は喉頭気管分離術よりも高い位置に大きな気管孔を形成できる特徴(写真1)があります。カニューレフリーになりやすく、カニューレを留置しても気管切開晩期合併症である気管腕頭動脈瘻に対して予防的な術式です。気管切開晩期合併症の問題が生じやすい若年、側弯、筋緊張がある、呼吸器装着が必要でカニューレ留置が必要な患者さんでは鹿野式声門閉鎖術が適していると言えます。
耳鼻咽喉電子内視鏡(スコープ)検査システム

鼓膜・鼻腔・咽頭・喉頭の観察と記録を目的に診療では電子スコープ(内視鏡)を多用しています。保有する10本の内視鏡は全てNBI機能付きハイビジョン対応で、先端外径は最細径が2.6mmのものから通常の3.9mmのものまであります。持ち手タイプも通常タイプ(写真1)とピストルグリップタイプ(写真2)のものがあり、状況に応じた内視鏡で検査します。ハイビジョンモニターを搭載したタワー(写真3)は外来3台と病棟1台設置し記録は全てファイリングシステムにより静止画や音声付き動画が病院内の電子カルテで即時に閲覧できます。これらの検査を外来・病棟・ベッドサイドで実施しております。使用ごとに専用の洗浄機で洗浄し、感染対策を実施しています。
喉頭ストロボスコープ
電子内視鏡と併用し、声がれなどの診察に有用です。声帯結節の診断に有用です。
神経刺激装置

耳下腺手術時の顔面神経や甲状腺・副甲状腺手術時の反回神経の保護に神経刺激装置を活用しています。甲状腺手術時には麻酔科医に電極付き挿管チューブ(写真1)で挿管をしてもらっています。プローブで反回神経を刺激している右甲状腺の手術場面(写真2)を供覧します。神経刺激のモニタリング波形(写真3)にて神経の反応が良好なことが確認できます。
CO2サージカルレーザー
周囲組織へのダメージの少なく効果の期待できるCO2サージカルレーザーを手術で使用します。特に咽喉頭腫瘍、乳頭腫の手術で有用です。
手術支援ナビゲーション装置

鼻副鼻腔内視鏡手術時の安全性を高めます。内視鏡用のモニターの横にナビゲーションの画像を表示しています。(写真1)
耳科用手術ドリル
慢性中耳炎・真珠腫性中耳炎や顔面神経減荷術の際の側頭骨の削開で威力を発揮します。
超音波ガイド下穿刺吸引細胞診検査(FNA)
甲状腺・耳下腺・顎下腺の腫瘍性病変や頸部リンパ節・嚢胞・腫瘤などの病変に対して細胞診検査による診断目的にエコーガイド下に穿刺吸引する検査です。
嚥下内視鏡検査(VE)

外来診察室やベッドサイドで実施(写真1)可能な嚥下機能検査です。電子スコープを鼻腔から挿入し着色水や検査用ゼリーを嚥下してもらい嚥下機能を診る検査です。嚥下中は確認できないこともありますが、嚥下前の反射の惹起性や嚥下後の咽頭残留(写真2)をみて評価します。
嚥下造影検査(VF)

頭(のど)〜食道への一連の嚥下運動を透視下で記録します(写真4)。嚥下機能を評価するためのゴールドスタンダードな検査です。
原著、総説、著書
| 年 | 題名 | 著者 | 著書・誌名 |
|---|---|---|---|
| 2021 | 基準嗅力検査におけるにおい語表の有用性の検討-Brief Smell Identification Testとの相関から- | 寺田理沙・赤澤仁司・端山昌樹 津田武・前田陽平・武田和也・小幡翔・中谷彩香・猪原秀典 | 日本鼻科学会誌 |
| 2022 | Advantage of a higher position of the tracheostoma with glottic closure for preventing complications related to tracheostomy tube : a retrospective cohort study | Kanazawa Y・Kurata Y・Nagai M Nozaki F・Mori A・Ishihara M Mori M・Kumada T・Shibata M Kato T・Nakai M and Kano M | BMC Surgery |
地域の医療関係者の方へ
・2026.4以降も内視鏡下鼻副鼻腔炎手術に積極的に対応しております。引き続き、安心してご紹介ください。
・当院登録医のクリニックの先生がお困りの際には、受付時間外での対応も行います。患者支援センターにご連絡くだされば幸いです。
地域の患者さんへ
・ご来院時に予約や紹介状のない場合、状況により近隣の医療機関(クリニック)の受診をお勧めさせていただく場合もありますのでご了承ください。
・外来での待ち時間には事前検査をすすめるなど、時間を有効に過ごしていただけるよう配慮しておりますが、受診時はできるだけ時間に余裕を持って、ご来院いただきますようお願いいたします。
研究発表
学術講演
| 開催日 | 演題 | 発表者 | 講演会 |
|---|---|---|---|
| 2021.11.18 | 慢性副鼻腔炎に対する効果的な治療戦略 | 赤澤仁司 | Allergy Forum in South Osaka / 耳鼻咽喉科・頭頸部外科医師 |
| 2022.1.23 | 重症児・者に適した気管切開術である鹿野式声門閉鎖術のご紹介 | 長井美樹 | 大阪小児在宅医療を考える会 /小児科医・看護師・学校関係者 |
学会研究会
| 開催日 | 演題 | 発表者 | 研究会 |
|---|---|---|---|
| 2021.9.23-9.25 | 外傷性嗅覚障害の受傷後の受診時期についての検討 | 赤澤仁司・長井美樹 | 第60回日本鼻科学会学術講演会 |
| 2021.9.13-9.20 | 外傷性嗅覚障害の受傷後の受診時期についての検討 | 赤澤仁司・野澤眞佑・三好毅・長井美樹 | 第358回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方連合会 |
| 2022.3.14-3.21 | 鼻中隔矯正術の術後の鼻閉が著明に増悪した一例 | 赤澤仁司・野澤眞佑・三好毅・長井美樹 | 第360回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方連合会 |
| 2021.6.5 | 舌背原発の広範囲表在癌に対する可動部舌全めくり切除の1例 | 卜部浩介・藤井隆・喜井正士・音在信治・宮部淳二・是松瑞樹 青木健剛・福武純子・吉村典紘 | 第357回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方会 |
| 2021.6.17-18 | 舌背原発の広範囲表在癌に対する可動部舌全めくり切除の1例 | 卜部浩介・藤井隆・喜井正士・音在信治・宮部淳二・是松瑞樹 青木健剛・福武純子・吉村典紘 | 第45回日本頭頭頸部癌学会 |
| 2021.12.4 | 喉頭前摘出症例におけるPrognostic Nutritional Index(PNI)と術後合併症に関する検討 | 卜部浩介・藤井隆・喜井正士・音在信治・宮部淳二・是松瑞樹 青木健剛・福武純子・吉村典紘 | 第359回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方会 |
| 2022.3.3-4 | 喉頭前摘出症例におけるPrognostic Nutritional Index(PNI)と術後合併症に関する検討 | 卜部浩介・藤井隆・喜井正士・音在信治・宮部淳二・是松瑞樹 青木健剛・福武純子・吉村典紘 | 第31回日本頭頸部外科学会総会・学術講演会 |
| 2021.6.5 | 治療に難渋した非真菌性の眼窩先端症候群の1例 | 野澤眞祐・長井美樹・赤澤仁司・三好毅・竹村和哉 | 第357回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方会 |
| 2021.12.4 | 舌根部に生じた正中頸嚢の症例 | 野澤眞祐・赤澤仁司・三好毅・長井美樹 | 第359回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方会 |
| 2021.12.4 | 高齢者で手術を行った正中頸嚢胞の症例 | 三好毅・赤澤仁司・野澤眞祐・長井美樹 | 第359回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方会 |
| 2021.12.4 | 再手術を行った正中頸瘻・頸嚢症例 | 長井美樹・赤澤仁司・野澤眞祐・三好毅 | 第359回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方会 |
| 2021.9.2 | パネルディスカッション1「明日から私も嚥下診療」 | 長井美樹 | 第34回日本口腔・咽頭科学会総会・学術講演会 |