診療科肝胆膵外科
更新日:患者さんとそのご家族の幸せのために
肝胆膵外科のページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
私達、肝胆膵外科グループは主に肝臓、胆道及び膵臓の3つの臓器に生じる病気に対して、手術を中心とした医療で治療することを専門としています。これらの臓器の周囲には生命を維持するために必要な脈管が複雑に入り組んでおり、手術を安全かつ確実に行うためには専門性の高い知識と技術そしてチームワークを必要とします。私達の使命は肝胆膵領域の手術を通して、患者さんとその家族に希望をもっていただくことです。
肝胆膵外科部長
村上 昌裕
対応疾患
肝臓 | 肝細胞癌、肝内胆管がん、転移性肝がん、肝のう胞 |
胆道 | 胆管がん、胆のうがん、乳頭部がん、先天性胆道拡張症、膵管胆管合流異常症、胆嚢結石症、胆のうポリープ、急性胆嚢炎 |
膵臓 | 膵臓がん、腫瘍性膵のう胞、膵神経内分泌腫瘍、転移性膵がん |
その他 | 十二指腸癌、脾腫瘍 |
特色・強み
1.日本肝胆膵外科学会の認定施設です
肝胆膵外科領域の診療では、肝臓・胆道・膵臓それぞれの臓器特有の専門的な知識が要求され、また手術自体の難易度が高く、高度な技術が要求されます。当病院は、日本肝胆膵外科学会より認定を受けている高度技能医修練施設です。
当病院では豊富な治療経験を持った高度技能指導医及び高度技能専門医を中心として合計4名の肝胆膵外科医からなる充実したグループです。
2.体に優しい手術(腹腔鏡手術)を積極的に行っています
平成27年10月から、肝切除や膵切除に腹腔鏡手術を導入しています。現在は、肝切除の多くは腹腔鏡手術で行っており、入院期間も従来の開腹手術にくらべて大幅に短縮しています(開腹手術;術後10〜14日間、腹腔鏡手術5〜7日間)。膵切除に対しては、比較的悪性度の低い腫瘍に対して腹腔鏡手術を積極的に行っています。
3.手術前から手術の後に至るまで一貫したサポートを行います
肝胆膵領域の手術、特にがんの手術を受けられる場合には、お体の負担だけでなく、精神的負担も多くなります。高齢者の方の場合には、特に様々な併存疾患も持っていることが多く、手術の負担は大きなものになります。手術を安心して受けられるように65歳以上の方には、お体の機能を確認し必要な方には、術前からのリハビリや栄養指導を行います。手術後も早期からリハビリや飲み込みの訓練を行い、「早く」、「元気に」退院することを目指しています。退院後には、がんの種類や進行度により異なりますが必要な方にはがんの再発を予防するための抗がん剤を提案いたします。また、当院では救急センターが24時間365日稼働しており、手術後や抗癌剤治療中の体調不良にも十分な対応が可能です。
肝胆膵領域のがんは悪性度が高く、たとえ手術ができたとしても再発する場合があります。そのような場合にも引き続き私達が薬物治療などの必要な治療をさせていただきます。また、治療が困難な状況となった場合でも、患者さんの希望に合わせて適切なケアができるように在宅医や、緩和ケアを中心とした病院などと連携して診療を行っています。
4.他診療科との連携が強固です
肝胆膵領域がんの診断には、高度な内視鏡技術、病理診断技術及び、画像の線読影技術が必要とされます。当院では、専門性の高い技術及び知識を有した消化器内科医、病理医及び、放射線診断医に恵まれており、これらの複数科と密に連携することで、早期診断・早期治療を実践しています。また、肝胆膵領域のがんは難治性がんの割合が多く、がんが見つかった段階で手術を行うことが難しい場合があります。このような場合には、消化器内科や放射線科と連携し、患者さんに適した治療を提案いたします。また、肝胆膵外科手術の多くは侵襲性の高く、このような手術直後は血圧や呼吸の変動などが見られ、厳密な全身管理が必要です。当院では集中治療センターが充実しており、術直後の不安定な時期を集中治療センターにおいて専門医師から管理を受けることができます。
5.臨床試験、治験へ積極的に参加しています
肝胆膵外科領域の疾患は難治性のことが多く、より良い治療法が開発される必要性が多く残っている領域の一つです。私達のグループは大阪大学消化器外科学教室と連携し、臨床試験などの共同研究を行っています。医療のより良い発展のために、臨床試験へのご参加をよろしくお願いします。
実績
2020年~2022年
病気の種類 | 手術件数 | 開腹手術 | 腹腔鏡手術 |
---|---|---|---|
膵臓(膵がん、膵神経内分泌腫瘍など) | 57 | 39 | 18 |
肝臓(肝細胞癌、転移性肝癌など) | 116 | 21 | 95 |
胆管(胆管癌など) | 33 | 29 | 4 |
胆のう癌 | 6 | 3 | 3 |
胆嚢結石症、胆のうポリープ、胆嚢炎、総胆管結石症 | 372 | 367 | 5 |
脾臓 | 5 | 0 | 5 |
その他腫瘍 (十二指腸癌、十二指腸GISTなど) | 22 | 15 | 7 |
各疾患の詳細については、当院がんセンターのページを参照してください。