診療科総合内科
更新日:堺市立総合医療センター総合内科では、以下に掲げる理念に基づいて診療を行っています。
多様な症状を持つ患者さんの診療を担当し、専門分化した医療の弊害を避け、総合的に患者さんを診療することを目指します。
詳細な病歴聴取、身体診察などを重視して、診断・治療に至るまでの考え方を大切にします。検査をやみくもに行うのではなく、必要なものを十分に検討して行います。
当スタッフの専門的能力を活かし、他の専門科と良好なコミュニケーションを保ちながら、総合性と専門性のバランスがとれた診療を実践します。2019年度より、感染症専門医師も常勤となり当科のスタッフとして共に診療を行う環境が整いました。
予てより感染症の診療と教育を重視しています。抗菌薬を適正に使用し、患者さんの命を脅かす耐性菌をできる限り出現させないよう努めています。現在は感染症だけでなく、担当する全ての病気を深く理解し、当科の理念のもと主治医として責任を持って医療を行える人材を育成していきます。
総合内科部長
浜田 禅
対応疾患
ほとんど全領域の内科疾患を対象として、外来、入院ともに診療します。専門性が極めて高い疾患(たとえば循環器内科領域では心筋梗塞、呼吸器内科疾患では肺癌など)については専門内科に委ねますが、ほとんどの疾患を病気の診断がついた後も、専門科と緊密なコミュニケーションをとりながら、総合内科が主科として診療します。当科スタッフの得意分野(リウマチ膠原病疾患、血液疾患、アレルギー疾患、腎疾患、神経内科疾患など)も活かして診療しています。
多くの患者さんは複数の病気をお持ちですので、いろいろな臓器の病気を総合的に診ることのできる総合内科の存在意義は大きいと考えています。
特色・強み
1.入院
約20数名の患者さんを担当しています。
4チーム体制で、それぞれのチームが屋根瓦式の体制を組んでいます。初期研修医が直接の担当医となり、その上に指導役としての後期研修医がおり、さらにその上にスタッフ医師がいて統括しています。
専門内科でよく遭遇する疾患も数多く受け持ちます(前述のとおりです)。
診断がついていない症例(不明熱など)、複数疾患が同時に存在し複雑な症例、感染症なども担当します。
2.外来
毎日総合初診外来の一枠を担当しています。
内科疾患か精神疾患かの判断で悩ましい症例やセカンドオピニオンなどの紹介を担当する総合内科初診外来を週1回で行っています。
その他、予約外来も行っています。
実績
感染症疾患 | 呼吸器関連86例 尿路関連81例 消化器関連27例 皮膚関連30例 中枢神経関連6例 血管内感染・菌血症23例 筋骨格関連14例 結核2例 猫ひっかき病1例 HIV感染症2例 日本海裂頭条虫1例 その他19例 |
呼吸器疾患 | 慢性閉塞性肺疾患2例 気管支喘息4例 肺癌5例 間質性肺炎8例 その他5例 |
消化器疾患 | 肝硬変症5例 腸閉塞2例 虚血性腸炎13例 憩室炎6例 急性膵炎2例 その他21例 |
循環器疾患 | 心不全4例 不整脈4例 失神2例 肺塞栓症5例 その他3例 |
腎・代謝・内分泌疾患 | 腎不全関連3例 ネフローゼ症候群4例 低Na血症10例 低K血症7例 低栄養症4例 甲状腺関連4例 副腎不全2例 汎下垂体機能低下症1例 その他2例 |
アレルギー・膠原病疾患 | アナフィラキシー8例 顕微鏡的多発血管炎5例 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症1例 巨細胞性動脈炎2例 リウマチ性多発筋痛症2例 Cogan症候群2例 関節リウマチ1例 血清反応陰性脊椎関節炎1例 Still病1例 多発性筋炎4例 強皮症1例 |
神経疾患 | めまい症13例 脳卒中10例 ウェルニッケ脳症2例 自己免疫性神経疾患2例 痙攣・てんかん関連7例 その他1例 |
血液疾患 | 特発性血小板減少性紫斑病3例 悪性リンパ腫11例 多発性骨髄腫1例 汎血球減少症・骨髄不全関連1例 ビタミンB12欠乏性貧血症1例 その他4例 |
その他の疾患 | 偽痛風6例 急性薬物中毒7例 骨折5例 Osler-Weber-Lendu病1例 分類不能56例 |
地域の医療関係者の方へ
堺市における地域医療への貢献を目指してまいります。総合内科としては医療機関でお困りになる以下のような症例をできる限り診察させて頂きます。
不明熱の様な原因不明の病態で困っている症例
免疫・膠原病疾患や血液疾患など当初は診断が明確ではなく詳細な診察が望まれる症例
難治性または治療に反応しない感染症で困っている症例
輸入感染症を疑う症例、内科疾患か精神疾患かの判断で悩ましい症例
内科疾患か精神疾患かの鑑別で悩ましい症例(※ 主に総合内科外来で診察させて頂きます)
など外来および入院にてご紹介頂ければ診療させて頂きます。病状が安定すれば、再度地域医療に逆紹介もお願いさせて頂きます。