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診療支援部門リハビリテーション技術科

更新日:

適切なリハビリテーションを実施できる体制を整えています。

当科は「私らしさ」を支えるためのリハビリテーションを提供することを科内の理念としています。必要とする患者さんが一日も早く機能改善が得られるように、適切なリハビリテーションを実施できる体制を整えています。

松川 訓久まつかわ のりひさ

体制

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が、各診療科の依頼に基づき各種療法を行います。また、今後は疾病の一次予防にも各療法士が積極的に関わっていく予定です。

施設基準

  • 心大血管疾患リハビリテーション料 Ⅰ
  • 脳血管疾患等リハビリテーション料 Ⅰ
  • 廃用症候群リハビリテーション料 Ⅰ
  • 運動器リハビリテーション料 Ⅰ
  • 呼吸器リハビリテーション料 Ⅰ
  • がん患者リハビリテーション料

スタッフ数:理学療法士 19名、作業療法士 6名、言語聴覚士 7名

各種認定資格取得者(より質の高いリハビリテーションを提供するために、認定資格等の取得に精力的に取り組んでいます。)

  • 集中治療理学療法士 1名
  • 3学会合同呼吸療法認定士 10名
  • 呼吸ケア指導士 1名
  • 心臓リハビリテーション指導士 1名
  • 心不全療養指導士 1名
  • (公社)日本理学療法士協会認定 認定理学療法士(脳卒中) 1名
  • (公社)日本理学療法士協会認定 認定理学療法士(呼吸) 1名
  • (公社)日本理学療法士協会認定 認定理学療法士(循環) 3名
  • (公社)日本理学療法士協会認定 認定理学療法士(運動) 2名
  • (公社)日本理学療法士協会認定 認定理学療法士(管理運営) 1名
  • (公社)日本理学療法士協会 登録理学療法士 10名
  • (公社)日本理学療法士協会 指定管理者(初級) 3名
  • (公社)日本理学療法士協会 指定管理者(上級) 3名
  • 臨床実習指導者講習会修了者 PT 8名、OT 4名
  • 認知症ケア専門士 1名
  • 福祉住環境コーディネーター2級 1名
  • 公認 中級パラスポーツ指導員 1名
  • がんのリハビリテーション研修修了 30名
  • がんのリハビリテーションインセンティブコース修了 1名
  • リンパ浮腫複合的治療実技研修会試験修了 1名
  • 堺市立総合医療センター緩和ケア研修会/PEACE修了 2名
  • 地域ケア会議推進リーダー 3名
  • 介護予防推進リーダー 3名

業務内容

理学療法

病気や怪我によって運動機能が低下した人や低下が予想される人を対象としています。基本動作能力(寝返る、座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および低下予防を目的に、運動療法(筋力増強訓練や歩行練習など)や物理療法(温熱療法や寒冷療法、電気刺激)などを用いて理学療法を行います。

特色

当院は三次救急を担い、急性期治療を中心とした病院です。集中治療室(ICU)に入室している段階から医師や看護師と協力し積極的な理学療法を行っています。また、対象診療科は多岐にわたり、整形外科疾患・脳外科疾患・神経内科疾患・呼吸器疾患・循環器疾患・がんなど、幅広い疾患に対して理学療法を実施しています。

作業療法

作業療法とは病気や怪我により身辺動作(食事、排泄、整容、更衣、入浴)や家事といった日常生活動作が困難になった方に対して、生活していくために必要な動作や社会に適応するための能力の回復を目指し、治療を行います。内容としては、直接的な動作の練習や作業活動を用いて機能回復を図るなどの訓練や、身体の残存機能を最大限活用し、身辺動作や家事動作、仕事への復帰を目指した訓練を行います。また、退院後の自宅生活が送りやすいように福祉用具の提案や相談も行います。

特色

脳血管疾患、整形疾患で入院した患者さんに対して発症後・手術後より、ベッド周囲の環境調整から開始して、食事、トイレ、整容などの日常生活動作の獲得を目指します。手の外傷の患者さんには、必要に応じて装具の作成も行います。呼吸器疾患で酸素導入時が必要な患者さんには、入浴動作や更衣動作などの酸素化評価や、動作指導を含めた呼吸リハビリを行います。

言語聴覚療法

コミュニケーションの問題(失語症、構音障害、音声障害、高次脳機能障害など)や飲み込みの問題(摂食・嚥下障害)のある方に対し、評価を実施し、訓練や指導、その他の援助を行います。

特色

耳鼻咽喉科と連携しながら嚥下内視鏡検査(VE)や嚥下造影検査(VF)を積極的に行っています。集中治療室(ICU)より早期に介入し、手術後、抜管直後の嚥下評価を行っています。

対象疾患

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整形外科疾患 多発外傷、脊髄損傷、骨折、脱臼、変形性関節症、頚髄症、脊柱管狭窄症、関節リウマチ、腱損傷、末梢神経損傷、手指切断 など
脳神経疾患 脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、水頭症、頭部外傷、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、運動ニューロン疾患、脊髄小脳変性症 など
呼吸器疾患 COPD、間質性肺炎、肺がん、誤嚥性肺炎 など
循環器疾患 心筋梗塞、心不全、弁膜症、大動脈瘤、大動脈解離 など
がん 胃がん、食道がん、大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、乳がん、肺がん、舌がん、咽頭がん、喉頭がん、甲状腺がん、血液がん など
耳鼻咽喉科疾患 重度の嚥下障害に対する声門閉鎖術前後 など
その他疾患 腎不全、糖尿病、廃用症候群 など

主な検査・設備

エルゴメーター

CPX

ADLシュミレーション機器

起立台

超音波

極超短波

低周波

渦流浴

ホットパック

ハンドヘルドダイナモメーター

牽引装置

letto II

チーム医療

リハビリテーションを実施していく上で、多職種との連携が必須となります。患者さん、ご家族を含め関係する多くのスタッフとともに、当科の理念である「私らしさ」を支えるためのリハビリテーションが実践できるように日々取り組んでおります。

新人教育

当院では3年間の新人教育期間を設定し、教育に力を入れています。

教育目標

  • 1年目:危険予測ができる(科内で情報交換ができる)
  • 2年目:危険予測をし、実行する(他職種に申し送りができる)
  • 3年目:リスク管理の徹底(多職種間でディスカッションができる)

教育体制

チューターシップを導入し、各新人スタッフに対して相談相手(チューター)を配置し、仕事の仕方、学習方法、悩みごとなどの精神面、生活など幅広い相談・支援が行える環境を作っています。教育はそれぞれの専門チームが行い、幅広い知識や専門性を習得していきます。また、目標達成シートを使用しての評価を定期的に行い、他者評価と自己評価を照らし合わせることで今の自分の弱点や成長度合を確認し、今後の教育指導に活かすようにしています。

実績

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2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
リハビリテーション実施率 35.1% 37.1% 38.3% 39.4% 42.4%
リハビリテーション提供患者数(入院)

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2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
心大血管リハビリテーション料 475 436 407 298 404
脳血管疾患等リハビリテーション料 777 832 794 928 1,124
廃用症候群リハビリテーション料 2,418 1,450 1,494 1,656 1,684
運動器リハビリテーション料 854 665 661 683 727
呼吸器リハビリテーション料 1,220 849 851 1,064 1,287
がん患者リハビリテーション料 242 443 483 436 555
合計 4,789 4,153 4,212 4,603 5,257
リハビリテーション提供総単位数(入院)

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2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
心大血管リハビリテーション料 6,831 5,679 5,483 4,338 5,420
脳血管疾患等リハビリテーション料 23,880 29,316 28,841 28,729 31,629
廃用症候群リハビリテーション料 25,704 16,725 16,270 18,025 17,120
運動器リハビリテーション料 14,343 11,206 11,798 11,750 12,280
呼吸器リハビリテーション料 11,394 14,815 14,660 18,050 16,171
がん患者リハビリテーション料 2,768 5,841 6,342 5,727 6,973
合計 84,920 83,582 83,394 86,619 89,593
リハビリテーション1日平均単位数(入院)

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2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
心大血管リハビリテーション料 1.03 1.08 0.99 1 0.87
脳血管疾患等リハビリテーション料 1.75 2.10 2.10 1.79 1.73
廃用症候群リハビリテーション料 0.84 1.02 0.91 0.87 0.8
運動器リハビリテーション料 1.13 1.28 1.25 1.05 0.96
呼吸器リハビリテーション料 0.89 1.37 1.22 1.16 1.07
がん患者リハビリテーション料 0.88 1.05 1.00 0.96 0.9
合計 1.30 1.54 1.70 1.31 1.21
リハビリテーション実施単位数(入院・外来)

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2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
心大血管リハビリテーション料 11,535 7,355 8,095 6,334 7,174
脳血管疾患等リハビリテーション料 24,569 29,772 29,498 29,895 33,239
廃用症候群リハビリテーション料 25,930 16,784 16,279 18,051 17,214
運動器リハビリテーション料 19,522 14,085 15,233 14,750 15,619
呼吸器リハビリテーション料 11,430 14,700 14,624 18,134 16,206
がん患者リハビリテーション料 2,890 5,915 6,351 5,807 7,807
合計 95,876 88,611 90,080 92,971 97,259

研究発表・論文投稿

研究発表

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開催日 学会等 演題 演者
2019/6/6~7 日本外傷学会 多発肋骨骨折に対する鎮痛プロトコールを使用した当院での取り組み 木村純子
2019/6/27~28 16th NR-SIG-WFNR Conference and 15th SANP Congress Discourse analysis for Japanese people with TBI
Why their communications are incomprehensible?
M.Fujiwara
2019/9/14 関西がんチーム医療研究会 サルコペニア患者に対する周術期嚥下リハビリテーションの取り組み 藤原麻美子
2019/10/5~6 がん理学療法研究会  サルコペニアを有する癌患者への術前理学療法の取り組みについて 松川訓久
2019/11/11~12 呼吸ケア・リハビリテーション学会  多職種協働により早期から理学療法を実施できた体外式膜型人工肺からの離脱症例 小森清伸
2020/2/9 大阪府理学療法士会 南支部 新人症例発表会 脳腫瘍で右片麻痺を呈した症例に対する動的立位バランス練習の検討~運動学習に着目して~ 阪田香穂子
2020/2/9 大阪府理学療法士会 南支部 新人症例発表会 重症ギラン・バレー症候群の症状増悪を繰り返した症例 桂智哉
2021/7/24 日本集中治療医学会 関西支部大会 COVID-19に対する当院でのリハビリテーションの取り組み 木村純子
2021/9/18 第28回日本チーム医療研究会 当院でのリンパ浮腫患者に対する取り組み 松川訓久
2021/11/12~13 呼吸ケアリハビリテーション学会 COVID-19重症患者への早期リハビリテーションの実際 木村純子
2021/11/25~26 日本ACS学会 早期リハビリテーションは集中治療から始める!~ACS患者へのチームリハの現状と展望~ 木村純子
2022/1/16 第61回近畿理学療法学術大会 重症COVID-19回復後に労作時酸素飽和度が低下した症例への理学療法介入 桂智哉
2022/1/23 大阪府理学療法士会 南支部 新人症例発表会 Pusher現象軽減により立位・移乗動作の介助量軽減を認めた一症例 内海風花
2022/1/23 大阪府理学療法士会 南支部 新人症例発表会 食道がんの周術期における理学療法介入~排痰法に着目して~ 田上雅樹
2022/1/23 大阪府理学療法士会 南支部 新人症例発表会 発症早期より理学療法介入し負荷量に注意して運動療法を実施したCOVID-19契機のギラン・バレー症候群 堀常太朗
2022/2/11 第29回日本チーム医療研究会 胸腔鏡下食道亜全摘手術症例に対する周術期リハビリテーションチームの取り組みについて 得能幹生
2023/6/7~10 20th NR-SIG-WFNR Conference Narrative performance of Japanese speakers with Traumatic Brain Injury(TBI) M.Fujiwara
2023/6/22~24 3rd CCD Symposium Discourse patterns of Japanese patients with Traumatic Brain Injury(TBI):Grouping by cluster analysis M.Fujiwara
2023/6/23~24 第24回日本言語聴覚学会 COVID-19患者に対する言語聴覚士(ST)介入の実態-第1波から第8波の変化 藤原麻美子
2023/8/5~6 第45回日本呼吸療法医学会学術集会 当院での呼吸リハビリテーションの実際と運動療法の工夫~2症例を通じて~ 桂智哉
2023/8/31~9/1 第61回全国自治体病院学会 新人教育プラン(堺モデル)を用いた当院での新人教育の現状 木村純子
2023/9/2~3 日本呼吸・循環器合同理学療法学会学術大会 人工呼吸管理中からの下肢エルゴメータ運動と離床により自宅退院可能となった、間質性肺炎患者の一例 堀常太朗
2023/9/2~3 日本呼吸・循環器合同理学療法学会学術大会 個別性に応じた外来心臓リハビリテーションの運動機能向上に関する検討 丸本翔馬
2023/10/6~7 第15回日本ACS学会学術集会 緊急開腹術を要した患者に対する当院ACSリハビリテーションチームの取り組み 小森清伸
2023/11/4~5 第10回日本サルコペニア・フレイル学会大会 地域住民に対する多角的フレイル予防の取り組みと運動機能における傾向 牟礼直人
2023/12/9~10 第12回日本理学療法教育学会学術大会 当院新人教育における教育チーム発足と取り組みの実際 谷合雄基
2023/12/9~10 第12回日本理学療法教育学会学術大会 当院の新人教育指導者の現状と課題 松川訓久
2024/2/11~12 第11回日本筋骨格系理学療法研究会学術大会 JSMT日本徒手療法学会主催徒手理学療法認定理学療法士臨床認定カリキュラム受講生アンケート調査報告 牟礼直人
2024/3/7~9 第49回日本脳卒中学会学術集会 くも膜下出血が高次脳機能に及ぼす影響に関する研究 大谷夏子
2024/3/14~16 第51回日本集中治療医学会学術大会 Open abdominal management患者に対するチームによるリハビリテーションへの取り組み 小森清伸
2024/3/16 日本がんチーム医療研究会 第33回研究集会 高齢消化器がん患者における術前認知機能と術後せん妄:包括的老年評価(CGA)の視点から 山口晴菜
2024/3/16 日本がんチーム医療研究会 第33回研究集会 高齢消化器がん患者における周術期嚥下能力と術後肺炎:個別化された栄養介入の重要性 吉山志織
論文投稿

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雑誌名 著者 演題名 巻 ページ 年
日本外傷学会雑誌 木村純子、臼井章浩、得能幹生、松本光史、常俊雄介、横田純一朗 多発肋骨骨折患者における疼痛指標としてインセンティブスパイロメータの有効性 Vol.34 No.4
pp111-114
2020
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 小森清伸、木村純子、藤原 望、前野佳与子、藤井宏一、妻鹿 旭、小畠久和 多職種協働により早期から理学療法介入を実施できた体外式膜型人工肺からの離脱症例 Vol.29 No.3
488-491
2021
Japanese Journal of Acute Care Surgry 木村純子、臼井章浩、犬飼公一、茅田洋之、向井信貴、天野浩司、松本光史、茂刈洋介、藤原麻美子 多発外傷患者に対する早期リハビリテーション-ICU専属PTの立場から-
日本リハビリテーション教育学会誌 松川訓久、石野麻衣子、堀本ゆかり 新人理学療法士指導者の現状と課題-指導者におけるメンタリング行動と個人の資質の傾向- Vol.7 No.1
1-12
2024

患者さんへ

当院のリハビリテーションは入院患者さんのリハビリテーションを中心に行っております。必要な患者さんには外来でのリハビリテーションも実施しますが、当院の各診療科からの紹介が必要となります。リハビリテーションのみの実施はしておりません。

地域の医療機関の皆様へ

当院のリハビリテーションセンターでは2021年度より、地域の皆様との顔の見える連携を行うため、「SAKAIリハビリテーションの会」を発足させ、地域の皆様との連携をはかりたいと思っております。今年度も第4回の開催を計画しておりますので、是非ご参加いただければ幸いです。
また、堺市内のリハビリテーション関連職種の集まり「堺リハネット」の事務局を、今年度から大阪ろうさい病院より引き継ぐことになりました。堺市内のリハビリテーション関連職種との連携強化に引き続き努めてまいります。

実務実習を希望される学生さんへ

2023年度は理学療法部門 6校、作業療法部門 1校、言語聴覚部門 4校から臨床実習の受け入れを行いました。

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