診療支援部門栄養管理科
更新日:医療を担う部門としての高い意識を持ち、研鑽を積み、管理栄養士としての専門性を発揮します
栄養管理科では、「医療を担う部門としての高い意識を持ち、研鑽を積み、管理栄養士としての専門性を発揮します」の理念のもと、5つの基本方針「①患者さんの立場に立ち、最善の栄養管理を目標に努力します②食を通して治療と健康づくりに貢献します③ 精度の高い治療食、満足度の高い食事サービスを目指します④ わかりやすく実践しやすい栄養食事指導を行います⑤ 専門職としての知識・技術向上のため自己啓発に努めます」に基づき業務を行っています。
馬場 千歳ばば ちとせ
体制
管理栄養士 12名 事務職員(契約) 1名
専門・認定資格(認定組織)取得者数(令和6年5月時点)
- 栄養サポートチーム専門療法士(日本栄養治療学会)5名
- 栄養治療専門療法士(日本栄養治療学会)1名
- 病態栄養専門管理栄養士(日本病態栄養学会)3名
- がん病態栄養専門管理栄養士(日本病態栄養学会)2名
- 糖尿病療養指導士(日本糖尿病療養指導士認定機構)4名
- 人間ドック健診情報管理指導士(日本人間ドック学会)4名
- 心不全療養指導士 1名
業務内容
栄養管理科では、入院患者さんへの治療食の提供と栄養管理、入院・外来患者さんへの栄養食事指導等を行っています。
治療食の提供
患者さんの病状に適した食事を医師の指示のもと、安心しておいしく食べていただけるよう提供することを心がけています。
- 管理栄養士による食事療養を行っています。
- 温かいものは温かく、冷たいものは冷たく提供できるよう、クックチル対応の再加熱カートにて適時適温の食事提供を実施しています。
- 患者さんの病状に応じて、エネルギー、たんぱく質、脂質、塩分等を調整した治療食やアレルギー食品除去食を実施しています。
- 食欲のない場合など(食事調整の必要な方は除く)は、セレクト食を選択することができます。
- 食事がすすみにくい方や栄養状態の改善が必要な方にはNST(栄養サポートチーム)と連携をとり、栄養補助食品の提供や、献立の工夫を行っています。
入院患者さんの栄養管理
入院患者さん一人ひとりの栄養状態の評価(スクリーニング)を行い、栄養状態が悪い患者さんには、栄養管理計画書を作成し、栄養状態の改善に取り組んでいます。食事を食べて頂いている入院患者さんのもとへ伺い、治療食の説明、食事摂取量の確認、食事がすすまない方への対応など、食事療養への理解向上に向けた取り組みを進めています。
栄養食事指導
「食べて治す」をモットーに病気の治療や予防に役立つよう、栄養食事指導を実施しています。
- 入院・外来を問わず、医師の指示・予約にもとづき行っています。
- 個人栄養食事指導は、糖尿病・腎臓病・肥満・高血圧・消化管の手術後・がん・低栄養・摂食機能低下などの栄養食事指導を行っています。
- 集団栄養食事指導は、入院患者さんを対象に脳卒中・循環器教室を毎週水・金曜日、糖尿病教室を毎週木曜日に行っています。
チーム医療
栄養管理科では、患者さんの個々に合わせた栄養管理を行うために、管理栄養士が各チーム・センターへ参画し、栄養・食事支援を行っております。
栄養サポートチーム(NST)
- 栄養不良の入院患者さんを対象に、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、管理栄養士など多職種で毎週回診・カンファレンスを実施し、患者さん個々に応じた栄養管理を行っています。
- 定期的な「NSTニュース」の発行、全職員向けの「研修会」を行い、栄養に関する知識の向上を支援しています。
循環器疾患センター
- 医師によって食事療法が必要と判断された循環器病の患者さんを対象に、栄養食事指導(集団・個人)を毎週実施しています。
- 年に数回、循環器病に関する市民健康講座を行っており、管理栄養士は食事についてお話しています。
褥瘡対策チーム
- 毎週の回診に参加し、栄養面から褥瘡治療をサポートするため、栄養状態の確認、食事療法の提案を行っています。
呼吸器ケア・リハビリテーションチーム(RCT)
- 毎週の回診に参加し、人工呼吸器の装着が必要になった入院患者さんの早期回復を目指し、栄養状態の確認、食事療法の提案を行っています。
緩和ケアチーム
- 緩和ケアを要する患者さんに対して、病状や希望に応じた食事の調整を行っています。市民健康講座では食事についてお話しています。
糖尿病センター
- 糖尿病教育入院された患者さんを対象に、糖尿病教室を実施し、管理栄養士は栄養食事指導(集団・個人)を担当しています。集団栄養食事指導では一般的な食事療法をお話しし、個人栄養食事指導で一人ひとりのライフスタイル、嗜好に沿った食事療法を一緒に見つけていきます。
- 年に数回、糖尿病に関する市民健康講座を行っており、管理栄養士は食事についてお話しています。
- 糖尿病性腎症の患者さんを対象に、糖尿病専門医、慢性疾患看護専門看護師、管理栄養士で、透析導入予防のための支援を行っています。管理栄養士は、患者さん一人ひとりに応じた食事療法を一緒に考えています。
脳神経疾患センター
- 医師によって食事療法が必要と判断された脳卒中患者さんを対象に、再発予防を意識した栄養食事指導(集団・個人)を実施しています。市民健康講座でも食事についてお話しています。
その他
- 消化器疾患センター、周術期管理センター、集中治療センター、疾病予防管理センターなどにも管理栄養士が参画し栄養・食事面でのサポートを行っています。
実績
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2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
---|---|---|---|
個人栄養食事指導 | 3,321 | 3,105 | 3,149 |
集団栄養食事指導 | 316 | 299 | 322 |
研究発表
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開催日 | 学会等 | 演題 | 演者 |
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令和5年1月14日 | 第26回日本病態栄養学会年次学術集会 | コロナ禍における1型糖尿病を持つ成人の患者交流;対面形式の代替としての冊子形式での交流の意義 | 岩崎 史歩 |
令和4年7月30日 | 第14回日本臨床栄養代謝学会近畿支部学術集会 | COVID-19感染症が重症化した高度肥満患者がNST介入期間を通じて減量に対する認知の修正が認められた1例 | 畑 勝智 |
令和3年10月30日 | 第58回日本糖尿病学会近畿地方会 | 糖尿病腎症患者における緊急事態宣言の代謝・腎への影響;生活変化との関連 | 渡邊 薫子 |
令和3年7月21日 | 第36回日本臨床栄養代謝学会学術集会 | 胸部大動脈瘤術後に小腸壊死を併発し栄養管理に難渋した1例 | 馬場 千歳 |
令和2年2月27日 | 第35回日本臨床栄養代謝学会学術集会 | 胃切除後の体重減少と体組成変化について(術後3年目までの検討) | 馬場 千歳 |
令和2年1月25日 | 第23回日本病態栄養学会 | 1型糖尿病を持つ方を対象とした「おしゃべりの会」から見えてきたこと | 林 佑紀 |
患者さんへ
日々の生活を送るうえで「食べること」は切り離せない部分です。
病気を予防する為にも「食べること」に気を付ける必要がありますし、病気にかかった場合は「食べること」に何らかの配慮が必要になることもあります。管理栄養士による栄養食事指導は入院や外来でも医師による指示のもと、原則予約制で対応しています。指導を希望される場合は、医師やスタッフにお声かけください。食生活を楽しんでもらえるような提案を心がけています。