脳腫瘍

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脳腫瘍とは

脳腫瘍とは頭蓋内に発生した「できもの」です。
脳実質だけではなく髄膜や下垂体、脳神経など頭蓋内に存在するあらゆる組織から発生します。

その中でも悪性脳腫瘍と呼ばれるものは、脳内にもともとあった細胞ががん化するもの(原発性脳腫瘍)と他臓器のがんが脳に転移してできたもの(転移性脳腫瘍)があります。

原発性悪性脳腫瘍で最も多いものはグリオーマ(神経膠腫)です。これは脳を形作るグリア細胞から発生する腫瘍であり、悪性度もさまざまです。
続いて多いのは中枢神経系原発悪性リンパ腫です。これは中枢神経系に発生する悪性リンパ腫であり、リンパ節から発生した血液疾患としての悪性リンパ腫とは少し異なります。

症状

脳は部位によってそれぞれ別の機能を持っています。
そのため腫瘍がどこに発生するかによって症状が異なります。
手足の麻痺や感覚障害、言語障害、認知機能障害などといった症状で見つかることが多いですが、頭痛や吐き気、めまい、痙攣発作などで見つかることもあります。

検査・診断方法

通常のCTやMRIで見つかることもありますが、精密には造影剤という注射薬を用いて検査(造影CTや造影MRI)を行います。
これらの検査を行うことでおおまかな診断を行いますが、手術を行って実際に取って病理検査を行うことで確定診断に至ります。

近年は特にグリオーマにおいてさまざまな遺伝子異常がわかってきており、採取した腫瘍の遺伝子診断が行われる場合もあります。

頭部CT、頭部MRI(FLAIR)、頭部MRI(造影T1強調画像)

がんゲノムセンター

治療方法

それぞれの腫瘍によって治療方法は大きく異なります。

グリオーマ(神経膠腫)

基本的には、手術によって脳の機能を障害しない範囲で腫瘍を最大限摘出したのちに、後療法として放射線化学療法を行います。

手術ではナビゲーションシステムや術中蛍光診断(5-ALA)、神経モニタリングシステム(運動誘発電位・体性感覚誘発電位)を活用して可能な限りの腫瘍摘出を目指します。
病理検査の結果、悪性度の高い神経膠腫であった場合には抗がん剤(テモゾロミド)と放射線治療を用いた集学的治療を行います。

摘出前と10ヶ月後の比較

中枢神経原発悪性リンパ腫

悪性リンパ腫の生存期間は、手術による摘出度と関係はなく、治療は化学療法や放射線治療を行います。
そのため、まずは低侵襲な生検術を行います。

病変によってはナビゲーションシステム(VarioGuide)を用いて1cm程度穴をあけ(穿頭)、定位的に生検術を行います。
病理検査の結果、リンパ腫であった場合には血液内科で化学療法を行います。
また、必要に応じて放射線治療も追加します。
このように当院では血液内科・放射線治療科と協力して術後の集学的治療を行っています。

術前と5ヶ月後の比較

放射線治療センター

転移性脳腫瘍

転移性脳腫瘍は他部位のがんが脳に転移しているため、そのがんはステージⅣ期(進行がん)という診断になります。

そのため、患者様の病状や年齢、原発がんの状況などを鑑みて治療方法を決定します。
治療方法としては、大きな腫瘍(目安は直径3cm以上)に関しては手術が選択されますが、小さな腫瘍に関しては放射線治療を行うこともあります。

摘出前と15ヶ月後の比較

手術実績

2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
グリオーマ 6 5 8 4
悪性リンパ腫 4 2 4 1
転移性脳腫瘍 15 22 12 20