肛門外科手術を開始しました
当院では、2025年1月から肛門外科手術を開始しました。
肛門疾患にも色々な病気がありますが、いわゆる“痔”と称されている肛門3大疾患は、痔核・裂肛・痔瘻です。
図の引用元:岩垂純一診療所・痔-WEB
痔核
痔のなかでもっとも多く、男女とも患者さんの半分以上を占めます。
痔核には、歯状線より直腸側のクッション(血管や周囲組織)が大きくなった内核痔と、肛門部分のクッションが大きくなった外痔核があります。内痔核は脱出の程度によりGoligher分類でI~IV度に分類されます。また、急性期の激しい痛みを伴う痔核としては、「血栓性外痔核」と「嵌頓痔核」があります。
手術:Goligher II度以上の内痔核が対象で、基本的には結紮切除術を行いますが、病態に応じて他の術式も併用することがあります。
ALTA療法: Goligher II度以上の内痔核に対してALTA(ジオン)注を行い、炎症・線維化を起こすことで痔核を退縮させ、脱出や出血症状を改善します。
血栓性外痔核:痛みの強い場合は局所麻酔下に血栓を取り除く手術を行いますが、痛みがないときは薬物療法で対処します。
嵌頓痔核:薬物療法で対処しますが、効果がなかった場合には手術による治療となります。
裂肛
女性に多い痔で、20~40歳代に好発します。
裂肛は、急性期と慢性期に分類されます。
手術:保存的治療や薬物療法でも改善しなければ手術となります。
痔瘻
男性に多い痔です。
肛門陰窩から細菌が入り込み、肛門腺が化膿し、その炎症が肛門周囲に広がって膿がたまり肛門周囲膿瘍となり、自然に破れるか切開することにより、膿が排泄されます。
痔瘻は自然治癒することが少ないため、手術を行います。
手術:単純な痔瘻に対しては瘻管開放術を行いますが、基本的にはシートン法や括約筋温存術を行います。