Sakai Medical Stories Vol.19 命の最前線に惹かれて――内科の礎から挑む「集中治療への志」

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Vol.19 命の最前線に惹かれて――内科の礎から挑む「集中治療への志」
集中治療科 青沼 可也 医師

医療現場の最前線で一分一秒を争う集中治療室(ICU)。
今回は、内科での研修を経て、2024年度から集中治療科の医員として活躍されている青沼可也医師にお話を伺いました。
超急性期医療へ飛び込んだきっかけや、研究と臨床の両立、そして医療に向き合うまっすぐな想いに迫ります。
Q1.内科専攻医から「集中治療科」という超急性期の道を選ばれたきっかけを教えてください。
内科の病棟や救急外来で患者さんの急変に直面した際、教科書的な知識は頭にあっても、次に行うべき高度な対応に自信が持てず「何もできない」という悔しさや恐怖を何度も経験しました。
その際、重症患者さんを前に現場へ駆けつけてくださったのが、現在の上司である集中治療科の先生方でした。
緊迫した場面にもかかわらず、冷静沈着に粛々と患者さんを救っていく姿に「この人が救ってくれる、もう大丈夫だ」という強い安心感を覚えました。
重症な患者さんにこそ冷静に対応できる医師でありたい、この先生方のもとで学びたいと強く感じたことが、ICUへ進む大きな決め手となりました。
Q2.専攻医プログラム終了後、当院の集中治療科に残られた理由を教えてください。
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当院の診療環境と指導医の先生方の柔軟さが一番の理由です。
内科専攻医時代、当院のICUで研修しました。
他病院と比較するまでもなく「ここで先生方が実践しているレベルの高い全身管理を自分もできるようになりたい」と直感しました。
また、内科専門研修から集中治療へ進むキャリアはまだ珍しく、自分でも不安がありました。
しかし、集中治療科や麻酔科、内科の先生方が垣根なく私の想いを理解し、「いいやん、やってみなよ」と研修体制をサポートしてくださいました。
科の垣根の低さと柔軟な受け入れ態勢が非常に魅力的でした。
Q3.内科専攻医としての経験が、現在のICUでの診療に活きていると感じる瞬間は?
患者さんのことを「点」ではなく「線」で理解しようとする姿勢は内科で教えていただきました。
目の前の「重症患者を救う」ことだけに注力するのではなく、患者さんが辿ってこられた病の歴史や社会背景を踏まえた診療を心がけたいと思っています。
Q4.医員として活動される中で、特に印象に残っている症例を教えてください。

敗血症性ショックで非常に危険な状態だった若い患者さんを担当したときのことです。
ICUでの集中治療を経て無事に状態が改善し、一般病棟へ戻られた後にお会いしに行きました。
ICUでの記憶は残っていない患者さんが多いのですが、その方は私を覚えていてくださり、「あのとき、この先生が助けてくれると思って安心しました。」と言ってくださいました。
かつて自分が指導医の先生方に感じた「救ってくれる安心感」を、少しでも患者さんに与えられていたのだと知り、胸が熱くなるとともに、さらに実力を磨きたいと気が引き締まりました。
Q5.学会発表や論文執筆など、学術活動にも精力的に取り組まれていますね。
「第100回日本感染症学会総会・学術講演会」の合同学会で優秀演題賞をいただいたほか、直近の8月にはICUでの血液培養に関する研究論文が無事に国際誌にアクセプト(採択)されました。
いずれも、感染症内科の長谷川耕平医師や集中治療科の熊澤淳史医師をはじめとする上司のご指導と導きがあったからこそ結実したものです。
日常の臨床で感じた「この管理は本当に最適なのか?」という純粋な疑問からスタートし、成果として形にできたことは、医師としての大きな励みと自信になりました。
Q6. 当院の学術活動や研究への支援体制はいかがですか?
非常に手厚いと感じています。
集中治療科や内科の先生方が熱心に指導してくださいました。
臨床業務で忙しい毎日ですが、周囲の理解とサポートがあるからこそ、疑問をうやむやにせず探求し続けられる環境が整っています。
Q7.普段、初期研修医や後輩医師たちと接する際に意識していることはありますか?
「泥臭くても、愚直に患者さんから学ぶ姿勢」を見せることです。
私自身、初期研修医の頃は知識も手技も未熟で、指導医から「やばいね」と真顔で心配されるほど不器用な研修医でした(笑)。
だからこそ、できない悔しさや不安な気持ちはよく分かります。
スマートにこなすことだけが全てではありません。
ベッドサイドに通い詰め、泥臭く患者さんに向き合い続ける背中を見せることで、後輩たちの力になりたいと思っています。
Q8.当院の初期研修医たちの印象はいかがですか?

みんな本当に真面目で優秀です!
ICUをローテートしてくるときも一生懸命で、彼らの熱心な質問に刺激を受ける毎日です。
嘘や適当なことは教えられないので、私自身も日々勉強し直す良い機会になっています。
Q9.今後のキャリアの展望や、新しく挑戦したい領域について教えてください。
今後はさらに「痛み」や「全身管理」の技術を深めるため、麻酔科の専門プログラムにも挑戦する予定です。
集中治療で培った全身管理の力と、麻酔科で学ぶ鎮痛・麻酔の技術、秩序ある内科の視点を組み合わせることで、重症患者さんの救命だけでなく、苦痛を最小限に抑えた質の高い医療を提供できる医師をめざしていきます。
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ICUカンファレンスの様子
Q10. 最後に、集中治療や内科の道を検討している後輩たちへメッセージをお願いします。
迷ったらぜひ一歩を踏み出してほしいです。
最初は知識や手技に自信がなくても、患者さんに真摯に向き合い続ければ、必ず乗り越えられます。
当院には挑戦を温かく見守り、導いてくれる最高の先輩たちが揃っています。一緒に命の最前線で成長していきましょう!
Beyond the White Coat
― 白衣の向こう側 ―
ここからは、医療や仕事の話から少し離れて、休日の過ごし方や好きなものなど、日常のひとコマから見えてくるスタッフの人となりや、ちょっと意外な一面をご紹介します。
休日のリフレッシュ方法は?
旅行とクラシックバレエです!
旅が好きで、時間を見つけては国内外へ出かけています。
一番の思い出は40時間かけて行ったブラジルの奥地(レンソイス・マラニャンセス国立公園)です。
休日には、最近ブランクから復帰した幼少期から続けているクラシックバレエのレッスンに行って身体を動かしています。

レンソイス・マラニャンセス国立公園

全てが日本の常識と違ったマダガスカルで歩いたバオバブ並木
ガラパゴス、マダガスカル、ブラジル、アフリカで出会った動物たち




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南米の氷河
堺でお気に入りのお店はありますか?
寿司店「すし嘉」さんと、「屋台おでん もりもと」さんです!
「すし嘉」(白鷺店・長尾店)さんはコスパが抜群でネタも新鮮。職場の仲間とよく行きます。
「屋台おでん もりもと」(津久野駅近く)さんは、名物のお母さんがいつでも温かく迎えてくれて、仕事で落ち込んだ時も実家のように癒やしてくれる大好きな場所です。

おでんの陽子ちゃんママ・堺の後輩と。
※ご本人の許可を得て掲載しています
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