地方独立行政法人 堺市立病院機構 堺市立総合医療センター 臨床教育センター

メニュー

内科専門研修消化器内科

更新日:

消化器内科はスタッフ6名と専攻医・初期研修医で急性期病院の専門内科として活動しており、対象疾患を臓器別の縦割りにはせず消化器疾患全般について診療しています。

救急疾患に対しては24時間オンコール制で、夜間の内視鏡的止血術、胆道ドレナージ、イレウス管や大腸ステント留置などの内視鏡的治療の緊急治療を数多く経験できます。消化器がんに対しては、内視鏡的治療(EMR/ESDなど)を積極的に行っている他、肝腫瘍に対する治療(TACE、RFAなど)、EUS-FNA、ステント留置、化学療法、放射線治療、胃瘻造設を行っています。また、他部門との連携により特殊療法(血漿交換療法、白血球除去療法、腹水濃縮還流など)が可能です。

各種学会認定施設

  • 日本消化器病学会認定医制度認定施設
  • 日本消化器内視鏡学会認定指導施設
  • 日本肝臓学会認定施設

3か月ローテーション

研修目標・内容

通常10名までの患者の受け持ちを行い、患者管理を学ぶと共に、手技にも参加してもらいます。
内科全体の方針として、総合的に患者を診る力を養うことをベースとして、救急外来や初診外来、内科全般のカンファレンスや症例検討を通じて研修していきます。 受け持ち症例については各種手技や診療を自ら行える能力を身につけるべく、経験を積むため、「研修医が受け持ちだけやらされて手技はスタッフが行い、研修医は見学だけ」というのではなく、スタッフ補助のもとできるだけ各種手技(内視鏡も含む)や診療を主体的に行ってもらいます。
また、後輩研修医の指導も行うことで更なる能力向上をめざすことができます。

3か月での経験症例数:47~73例

内訳(平均)

上部消化管 下部消化管 胆管炎 膵炎 肝疾患
34% 23% 12% 9% 8%
  • 2019年度の退院サマリー数より算出

指導体制

研修医各に担当指導医1名を決定し、研修医に寄り添い、きめ細かく指導する方針です。

1年~1年半研修(Fix)時

研修目標・内容

入院患者の受け持ちを行い、患者管理を学ぶと共に、上部消化管内視鏡検査や大腸内視鏡検査といった外来での検査・治療にも積極的に参加してもらいます。また、研修終了時には上部消化管内視鏡検査や大腸内視鏡検査・治療、内視鏡的止血術や胆道ドレナージを一人でこなせる事を目標に研修を行います。 消化器内科を志望する場合、まず消化器内科をローテーションし、基本的な内視鏡操作を学びます。その上で他の内科のローテーション研修時も希望に応じて消化器疾患の診断治療を継続的に経験します。各内科ローテーション終了後に本格的に消化器内科の研修が始まります。 Fix後は、消化管・胆膵領域では入院・外来患者の上部消化管内視鏡検査・大腸内視鏡検査・ERCPを行い、内視鏡検査の操作・診断・腫瘍切除や止血術などの治療を学びます。手技の向上に応じて、胃のESDや困難症例のERCPなど経験を積みます。
肝疾患領域では、肝生検やPTGBDを通じてエコーガイド下穿刺の処置を経験します。経験・上達に応じてPTCDやRFAなどを経験します。IVR領域では主にTACE時の穿刺やカテーテル操作を経験します。
また、外来では初診・再診といった形で消化器疾患をはじめとした患者の診療にあたります。

後期5年目 1年での経験症例数:(2020年度2名の平均)

  • 入院 200例
  • EGD 700例 うち止血術 36例、胃ESD 16例
  • CS 280例 うちEMR 75例
  • ERCP 60例

指導体制

入院患者についてはメインとなる指導医が指導にあたります。また、ローテーションする初期研修医の指導を行うことで更なる能力向上をめざすことができます。外来での検査や、検査・治療入院症例は適宜処置を得意とする指導医が指導にあたります。

内科専門研修終了後の進路

研修終了後、当科医員としての勤務希望時は相談に応じます。当院は日本消化器病学会認定施設・日本消化器内視鏡学会指導施設・日本肝臓学会認定施設であり、当科での研修は、各領域の研修プログラムへの移行が可能となる予定です。卒後7年目で日本消化器病学会専門医と日本消化器内視鏡学会専門医を、8年目で日本肝臓病学会専門医の取得をめざします。

指導医からのメッセージ

3か月ローテーション
消化器内科志望のあるなしにかかわらず、市中病院では最もポピュラーな消化器疾患を数多く体験することは、内科医としてのスキルアップには重要です。ローテート研修でもやる気のある人は大歓迎です。

1年~1年半消化器研修
消化器志望の方は特に、内科専門医制度の変更に戸惑いを感じているのではないでしょうか。各内科を研修することは内科を幅広く経験をできるとともに、手技を身につけるのが遅れるという不安があるのではないかと思います。当院では初期研修のローテーションシステム以前からローテーションを取り入れています。他の内科研修中も主に緊急疾患を通じて内視鏡などの手技の研修を続け、他の内科ローテーション中も適宜内視鏡検査などに参加できる土壌があります。当院の研修を通じて卒業した後期研修医は、卒後に他院での後期研修医に劣らない技量を持ちながら、幅広い内科の経験を積んでおります。消化器疾患において、上部や下部、肝・胆膵といった分け隔てのない経験を積みたい方、数多い緊急疾患を通じて技術を身につけたい方は大歓迎です。
また、将来幅広い内科診療にあたる上で、サブスペシャリティーとして内視鏡検査も行いたいといった方も歓迎です。将来は総合内科になりたいけど上部消化管内視鏡検査や大腸内視鏡検査はしたい等の細かいニーズにも応えられると思いますので、是非ご相談ください。