救急科専門研修研修概要・プログラム
更新日:診療内容について
政令指定都市:堺における唯一の三次救急医療施設として、“救急医療の最後の砦”として、あらゆる重症患者を受け入れます。我々は、重症救急患者に救急初療室での初期対応(蘇生処置)から、急性期救命医療(根治的処置・手術)、その後の集中治療、さらには転院・外来フォローまで一貫したシームレスな医療を提供します。救命救急センターの救急科専攻医は、あらゆる領域の救急患者の発症より社会復帰まで、担当医として診療していただきます。
01|救急外科:Acute Care Surgery
多くの急性腹症や外科感染症に加え、重症外傷や中毒に対応します。初療から手術やIVR、術後集中治療、さらには転院・外来フォローまでを担当します。繊細な鏡視下手術から、ダイナミックな外傷外科手術までを経験して頂きます。
02|救急内科・集中治療科
当院内科統括部の強いバックアップを下に、救急医・集中治療医・各専門内科医・麻酔科医がチームとなり、診療・治療・管理にあたります。専門性が多様のため、各診療ガイドラインに迅速対応し、かつ病態論に踏み込む深い思考をもった診断・重症管理が経験できます。
03|その他:院内のサポート体制
- 小児科医師、産婦人科医師によるサポート(小児や妊婦の外因性疾患も対応可能)
- 24時間体制のハートコール(PCI)、吐血コール(緊急内視鏡)、ブレインコール(tPA)
- 24時間当直体制の臨床工学技士チーム(あらゆる血液浄化や体外循環、人工呼吸器設定などに対応)
- 精神科リエゾンチーム(自殺企図など精神科対応)
救急科の“使命”
病院内で救急患者を受け入れる他、我々には以下のような役割があります。
01|病院前医療:Pre-Hospital Care
ドクターカーによる現場出動、救命救急センター外来に隣接する堺市消防局救急ワークステーション(消防分署)との連携により、積極的な病院前医療を行います。専攻医にも重症救急患者を救命する“攻めの医療”に参加して頂きます。
02|メディカルコントロール
堺市二次医療圏における救急医療の中心として、行政および堺市消防局、周辺医療機関、堺市医師会などと協力し連携します。いわば「オール堺」の救急体制を構築し、住民へ安全な医療を提供します。
03|災害医療・DMAT
堺市二次医療圏内で唯一の災害拠点病院、DMAT指定機関として、いざと言う時には堺市と周辺地域を守る要となります。専攻医にもDMAT講習を受けて頂きます。
救命救急センター スタッフ
救急外科常勤専従医師 13名+非常勤医師 2名
救急科専門医 8名(救急医学会指導医2名含む)
外科専門医 5名
整形外科専門医 3名
救命救急センター診療体制
平日日勤帯
三次ホットライン担当、ドクターカー担当、二次救急担当、ICU/HCU担当、病棟担当、ACS担当、準緊急手術麻酔担当などの交代分担制
夜間休日帯
2人当直制+2人オンコール
臨床成績
充実した臨床経験数
年間救急搬送受入れ件数
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平成28年度 | 平成29年度 |
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9,316件 | 9,322件 |
776/月(25/日) |
- 国内トップレベルの受入れ件数です。
重篤疾患受入れ件数
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疾患名 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 4~12月 |
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病院外心肺停止 | 118 | 178 | 107 |
重症急性冠症候群 | 134 | 145 | 114 |
急性大動脈疾患 | 38 | 44 | 39 |
重症脳血管障害 | 37 | 57 | 60 |
重症外傷 | 399 | 464 | 348 |
重症熱傷 | 8 | 4 | 5 |
重症急性中毒 | 42 | 49 | 25 |
重症消化管出血 | 217 | 238 | 147 |
重症敗血症 | 99 | 129 | 81 |
重症体温異常 | 20 | 26 | 11 |
特殊感染症 | 3 | 4 | 1 |
重症呼吸不全 | 83 | 85 | 65 |
重症急性心不全 | 66 | 84 | 44 |
重症出血性ショック | 2 | 1 | 5 |
重症意識障害 | 9 | 9 | 7 |
重篤な肝不全 | 1 | 2 | 2 |
重篤な腎不全 | 13 | 19 | 5 |
その他の重症病態 | 0 | 1 | 0 |
合計 | 1,289 | 1,539 | 1,066 |
- 救命救急センター開設以降、重症外傷や重症急性中毒、重症熱傷の受入れも大幅に増加しました。
救命救急センターの診療実績
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救急外科:入院数 | 平成27年7月〜 平成28年3月(9ヶ月) |
平成28年度 |
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外傷 | 543 | 621 |
急性腹症 | 300 | 368 |
中毒 | 87 | 90 |
熱傷 | 17 | 17 |
環境異常 | 19 | 29 |
その他外因 | 21 | 12 |
その他内因 | 113 | 209 |
CPA ※ | 100 | 114 |
計 | 1,200 | 1,460 |
- みなし入院含む
- 救急外科は2次3次救急患者のうち、おもに外因性疾患と手術適応患者を担当しています。
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救急外科:治療・処置・検査など | 平成27年7月~平成28年3月(9ヶ月) |
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外傷全身CT(外傷 pan-scan CT) | 378件 |
外傷局所CT | 1,250件 |
Ai(全身CT) | 48件 |
初療室開胸+開胸心マッサージ | 3例(※) |
経皮的心肺補助 | 1例 |
緊急血管造影+IVR | 31件 |
MTP(異型輸血) | 1回 |
低体温療法・体温コントロール | 6例 |
- 心刺創によるCPA、独歩退院1例を含む
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ドクターカー出動(回)(※) | 平成28年度 | 平成29年度 |
---|---|---|
重症外傷 | 60 | 41 |
多数傷病者対応 | 2 | 2 |
救出困難 | 2 | 4 |
CPA(疑い) | 77 | 78 |
内因性疾患 | 79 | 107 |
救命処置が必要、その他 | 6 | 7 |
計 | 226 | 239 |
- 平日9~17時のみ運用、出動後キャンセル含む
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救急外科:手術数 | 平成27年7月〜 平成28年3月(9ヶ月) |
平成28年度 |
---|---|---|
Acute Care Surgery領域 | 327件(228人) | 386件(270人) |
整形外科領域 | 225件(140人) | 323件(253人) |
脳神経外科・形成外科ほか | 28件(22人) | 54件(24人) |
計 | 580件(390人) | 775件(554人) |
- ほとんどの手術を救急外科スタッフのみで行っている。
- 一部の手術は麻酔も担当している。
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救急外科:ACS領域手術数(人) | 平成27年7月〜 平成28年3月(9ヶ月) |
平成28年度 | |
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外因性 | 鋭的外傷 | 9 | 15 |
鈍的外傷 | 23 | 32 | |
熱傷 | 2 | 3 | |
計 | 34(75件) | 50(78件) | |
内因性 | 急性虫垂炎 | 83 | 72 |
腸閉そく | 33 | 40 | |
急性胆のう炎 | 31 | 30 | |
消化管穿孔 | 17 | 34 | |
ヘルニア嵌頓 | 9 | 16 | |
NOMI | 5 | 3 | |
その他 | 16 | 23 | |
計 | 194(252件) | 218(306件) |
救命救急センター(施設紹介)
01|センター外来(救急外来)
三次専用初療室
- 170㎡を超える日本トップレベルの広大な面積(通常2床、災害時最大4床運用)
- 初療室とドア1枚で直結する救急CT室(自走型128列CT)
- 初療室とドア1枚で直結する血管造影装置を組み込んだ救急専用ハイブリッド手術室
日本初の、初療処置台とCT台、手術台をカーボン製天板手術台(+シャトル)で共用する重症外傷診療システムです。 CTや手術・血管造影検査などにおける患者の移動・載せ替え“1・2・3!”を行わない、患者にもスタッフにも優しいシステムです。 患者搬送後、極短時間で全身CT(pan-scan)を取りつつ、同時に蘇生処置も可能です。
- 二次用救急診療スペース3床は別にあります。
そのほかの設備
除染室・二次救急用診療スペース(3床)・Walk-in用診察室(4室)
救命センター病棟
ICU 8床
陰陽圧管理個室2室を含む
HCU 22床
前室付き陰陽圧管理個室1室、他個室7室を含む熱傷用ベッドと水浴室