診療科集中治療科
更新日:堺医療圏の重症患者を救います
集中治療科という馴染みのない名の診療科ですが、心臓手術のような大手術後の管理、人工呼吸器や心肺補助装置等を必要とする重症内因性疾患の管理を一手に担っており、各診療科の重症患者診療を補完する重要な診療科であると自負しております。厚生労働省認可の集中治療室8床(特定集中治療室管理料1算定)を、集中治療科スタッフ5名(うち2名が集中治療専門医)で24時間継続的に管理しています。入室患者の治療方針の決定や入退室の決定について当科が主導して行っています。最善の医療を提供するために各診療科やコメディカルの方々と常に協力しながら、患者様ができるだけ元の生活に戻れるように診療することを心がけています。
集中治療科部長
小畠 久和
対応疾患
重症循環不全 |
重症呼吸不全 |
重症感染症 |
重症代謝疾患 |
大手術後 |
心停止蘇生後 |
その他 |
特色・強み
●集中治療医が専従管理している数少ない集中治療室です。
●通常の集中治療室と比べて内因性重症疾患の割合が高いです。
●成人の重症内因性疾患については、基本的には全て対応可能です。
●周術期管理に関しては、当院で対応可能な手術の範囲内で対応可能です。
●昼夜を問わず緊急で心肺補助装置(膜型人工肺)や血液浄化療法等の特殊治療を行うことが可能です。
●集中治療の領域では、未だエビデンスの少ない治療も多く存在します。当科では臨床研究を行い新たに得られた知見をエビデンスとして発信することで、治療の改善に貢献しています。
主な手術・検査・設備等
人工呼吸器
膜型人工肺(ECMO)
血液浄化装置
気管支鏡
超音波診断装置
除細動器
心電図
血液ガス分析装置
実績
※1:重複病名含む
※2:中央値[四分位範囲]
2018年度 | 2019年度 | |
---|---|---|
ICU入室総数(人) | 730 | 749 |
内因性疾患(人) | 330 |
278 |
急性循環不全 |
119 | 72 |
急性呼吸不全 |
86 | 69 |
敗血症(※1) | 72 | 58 |
心停止蘇生後 | 31 | 25 |
意識障害 | 19 | 26 |
重症膵炎 | 6 | 5 |
重症代謝障害 | 20 | 22 |
その他 | 9 | 12 |
術後(人) | 400 | 471 |
心臓血管外科 | 75 | 99 |
開心術 | 51 | 70 |
その他 | 24 | 29 |
呼吸器外科 | 64 | 86 |
消化器外科 | 138 | 137 |
脳神経外科 | 67 | 94 |
その他 | 56 | 55 |
APACHE2 score(※2) | 15[12,20] | 15[12、20] |
APACHE2予測死亡率(%)(※2) | 16.4[8.1,32.2] | 14.3[7.1,32.3] |
APACHE3 score(※2) | 56[42,75] | 53[40,74] |
APACHE3予測死亡率(%)(※2) | 10.0[3.7,30.1] | 8.6[3.1.26.0] |
ICU死亡率(%) | 1.8 | 1.7 |
院内死亡率(%) | 7.3 | 5.6 |
人工呼吸患者数(NPPV除く)(人(%)) | 342(46.8) | 303(40.4) |
人工呼吸期間(日)(※2) | 1.8[0.6,3.6] | 1.7[0.6,3.7] |
ICU在室日数(日)(※2) | 1.5[0.9,3.6] | 1.1[0.8,3.0] |
間欠的腎代替療法(人(%)) | 22(3.0) | 33(4.4) |
持続的腎代替療法(人(%)) | 56(7.7) | 48(6.4) |
血漿交換(人(%)) | 6(0.8) | 5(0.7) |
大動脈バルーンパンピング(人(%)) | 16(2.2) | 12(1.6) |
膜型人工肺(ECMO)(人(%)) | 32(4.4) | 19(2.5) |
V-A | 23(3.2) | 17(2.3) |
V-V | 9(1.2) | 2(0.3) |
地域の医療関係者の方へ
○重症患者を積極的に受け入れています。
・懸命な治療を行ったとしても、一定の割合で治療が奏功しない場合があります。その中で、人工呼吸や体外循環、密なモニタリングなどを必要とする状態になったときに、その管理を行うマンパワーや機器にどうしても限りがあり、その結果、治療限界を迎えてしまう時があると思います。そのような管理が必要である重症患者でお困りの際には、当院に連絡をいただければ転院管理を含めて対応させていただきます。 ○当院ICUで働いてみませんか?
・多くの病院のICUは、麻酔科もしくは救急科の一部門として成り立っているため、その業務をメインに行いつつ集中治療業務を交代で行っていることが多いと思いますが、当院の集中治療科は麻酔科や救急科とは独立していますので、麻酔や救急業務を行わずにICUで専従業務を行う事が可能です。一方で、ICUで行う全身管理には内科の知識と麻酔科の知識が必須と考えています。状況に応じて内科研修を行うことも可能ですし、通常のICUで必要とされる周術期管理の知識や麻酔科で習得すべき技術を得るための麻酔研修も麻酔科協力の下で行っています。
・ICU内で必要な処置である気管内挿管や中心静脈カテーテル挿入や経皮的心肺補助装置(膜型人工肺)の導入・管理、内因性疾患における人工呼吸離脱困難患者への気管切開術は当科で行っております。
・当科では臨床研究を通して治療の改善に貢献することを目指しています。当科には疫学・臨床研究に関して系統的なトレーニングを受けた専門家がおり、臨床研究医の育成にも積極的です。
・2017年度より集中治療専門医研修認定施設になりましたので、当院の研修で集中治療専門医資格を取得する事が可能です。
・3ヶ月~半年程度の短期研修も可能ですので、集中治療医を志し、当科に興味がある方は是非一度見学に来て下さい。
地域の患者さんへ
・集中治療センターへの入退室については、担当医と集中治療科で決定しておりますので、入退室において、患者様、患者家族の希望に添うことはできません。 ・集中治療センター入室中は面会制限がありますので、ご理解のほどよろしくお願いします。