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部門救命救急センター

更新日:

堺市地域における”救急医療の最後の砦”

 救命救急センターは生命に危機のある最重症患者の治療を行う救急医療の最後の砦”です。当院は堺市地域で唯一の救命救急センターとして、途切れない診療を行うため、救命救急科の医師が24時間専従しています。 当センターでは、重症の外傷、循環器疾患、脳神経疾患、消化器疾患、急性中毒、その他ショック・循環不全など多様な疾患の受け入れを行っており、救命救急科だけでなく多数の専門診療科が協力して診療にあたっています。救命救急科は初期診療だけでなく外因性疾患や急性腹症の入院診療、さらには緊急手術も行っております。
 救急搬送される患者の救命率向上のためには、救急隊への教育や協力が不可欠です。そのため、当院には救急ワークステーションが併設されており、病院前診療を行うドクターカー運用と救急救命士の技術向上のための実習を行っています。
 この様に当センターでは、重症患者の治療だけでなく救急隊への教育や協力を図ることで、地域全体で一人でも多くの人が救命出来る様に努めていきたいと考えています。

救命救急センター長
森田 正則

対応疾患

外傷 救急外来に直接受診してきた軽症から生命危機の最重症まで、四肢骨盤外傷から胸腹部外傷、頭部外傷、さらには多発外傷など、あらゆる重症度と部位の外傷患者の診療を行っております。
急性腹症 急性虫垂炎、急性胆嚢炎、イレウス(腸閉塞)や胃十二指腸穿孔、大腸穿孔などに対して、緊急手術がと術後の集中治療を行っております。
中毒 医薬品や市販薬品の大量服薬だけでなく、麻薬・覚せい剤・大麻や脱法ハーブなどの急性中毒、ガス中毒、さらにはマムシ咬傷などあらゆる中毒に対応しております。 自殺企図など精神科疾患が疑われる場合には、精神科リエゾンチームと連携し、精神科治療への繋いでおります。
熱傷 一般の病院で受け入れにくい乳幼児の熱傷や工場などで受傷した薬物による化学熱傷なども積極的に受け入れ、形成外科と連携し治療しております。
環境異常 重症の熱中症や偶発性低体温などの重症者には、血管内温度調整を用いて集中治療を行っております。
その他の外因性疾患 窒息、縊頚、溺水、消化管内異物や医原性疾患を受け入れております。
内因性疾患 生命危機にある内因性疾患を受け入れております。
内因性来院時心肺停止 ドクターカーによる病院前医療に伴い、また、救命救急センターの専従科として積極的に受け入れております。

特色・強み

・当科は、救急外来対応だけでなく、緊急手術・処置、集中治療、さらに転院・外来フォローまでシームレスな医療を提供しています。
・重症外傷、多発外傷を含めあらゆる外因性疾患を受け入れております。
・大阪府内でも緊急対応できる施設が少ない、頚椎損傷や骨盤骨折の根治出術を行っております。
・急性腹症などの緊急手術を随時行っております。
・難治性Vfに対して積極的にEPCR(人工心肺を用いた心肺蘇生)を行っております。
・ドクターカーとして医療班を現場派遣し、適切な病院前医療を提供しております。
・重症の四肢外傷、血管損傷などに対しては、整形外科、形成外科と共同診療を行っております。
・難治性心室細動の患者には、人工心肺を用いた蘇生術を行い、良好な成績を得ております。
・重度の薬物中毒に対しては、臨床検査科の協力によって多くの薬物濃度を測定し評価しております。

主な手術・検査・設備等

三次初療室

150㎡を超える広大な三次専用初療室です。普段は2床運用ですが、災害時には4床運用することができます。救急専用CT室はドア1枚で直結しており、救急専用ハイブリッド手術室も直結しております。

初療診察台共有システム

三次初療室の診察台(天板)は、直結するCTの撮影台、ハイブリッド手術室の手術台と同じものであり、患者を天板ごとガチャッと移動できる。”1、2、3、よいしょっ!”しなくてよい患者にもスタッフにも安全な診療システムです。

救急専用CT室

三次初療室とドア1枚で直結している。128列の高性能の自走式CTです。搬送用高機能人工呼吸器も準備されている。

救急専用ハイブリッド手術室

三次初療室とドア1枚で直結しています。クラス1000の手術室であり、ほとんどの手術に対応し、血管造影装置を組み込んだハイブリッド手術室でもあります。緊急の開腹手術、開胸手術と同時に腹腔内臓器や骨盤骨折への経カテーテル的止血術を行うことも多くあります。

実績

2018年度 2019年度
外傷 681 595
急性腹症 426 427
中毒 71 72
熱傷 18 10
環境異常 30 23
その他の外因性疾患 29 33
その他の内因性疾患 125 143
(内因性)来院時心肺停止 121 107
ドクター出動(件) 299 243
救急搬送受入れ件数(応需率)の推移
平成30年度 令和元年度 令和2年度 令和3年度 令和4年度
救急搬送受入れ件数
(1か月あたり)
9,439
(786.6/月)
9,444
(787.0/月)
7,440
(620.0/月)
6,842
(570.2/月)
8,960
(746.7/月)
救急搬送応需率 78.0% 78.6% 77.9% 76.5% 69.2%
うち三次救急搬送受入れ件数
(1か月あたり)※
527
(43.6/月)
532
(44.3/月)
677
(56.4/月)
766
(64/月)
790
(66/月)

※堺市消防局では、急性冠症候群によるショックや脳卒中による意識障害は非三次救急(=二次救急)扱いで搬送されることが多い

地域の医療関係者の方へ

手術が必要であったり管理が大変そうな外傷患者、急性腹症や特殊感染症(破傷風やいわゆるガス壊疽)が疑われる場合には、患者支援センターを通して連絡ください。

地域の患者さんへ

当科は、普通の診療科と異なり、一般の外来診療を行っておりません。まずは、かかりつけの医師や近所のクリニック、もしくは#7119に相談してください。動けないような状態なら救急車を呼んでください。

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